異世界召喚の現実

べるがりおん

 俺、味耜高彦24歳。

 何か知らんうちに異世界に喚ばれたんだぜ。

 転移の途中で境界の神様とやらにあって転移の原因を聞かされ同情された俺は、最低限の装備といくつかの能力、それに転移先の知識を貰ったんだぜ。

 取り敢えず、五体無事にたどり着いた俺は今後の生活のために定番の冒険者ギルドに登録しに来たんだぜ!


 街中をぶらぶらしながら探してみたけれど全然見付からないんだぜ? あ、転移した時に説明されたんだけど、特典で読み書き会話は問題なく出来るんだぜ!

 おっかしいなあ。館林市の市街地くらいの大きさの街なんだから冒険者ギルドくらいありそうなもんなんだけど…あ、別に館林市をdisっている訳じゃないんだぜ? 館林うどん美味いし、かき氷屋もあるし、総合的にはいい所だぜ?

 取り敢えず、誰かに訊いてみるとするぜ!



 

 結論から言うと、冒険者ギルドは無いんだぜ…。

 数人に訊いてみて、いずれも『そんな名前の場所は無い』という返答だったので、もしや名前が微妙に違うのかも?と思い至ったので、これこれこんなところと説明したら、それに準じた場所というかは見付かったんだぜ…。

 なんでも“人材派遣会社”って名称らしいんだぜ…。前身が“奴隷商”といったらしく、まともなところはまともだったらしいけど、その名称と酷いところがあまりにもあまりな感じだったので、国が動いて国営の組織“職業紹介所”が作られたそうなんだが、許可を得れば個人でも似たような商いは出来るらしく私営のものが“人材派遣会社”っていうそうなんだぜ。

 嫌な予感しかしないんだぜ…。


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