主人公の落窪の姫は、たいへん美しい平安貴族のお姫さま。
ですが、彼女は母親をなくし、継母にいじめられる日々を送る不幸なお姫さまでもありました。
そんな落窪の姫が将来有望な右近少将とひょんなことから恋仲になり、不幸な身の上が一変。どんどんと成り上がっていきます!
「古典? どうせ難しいんでしょ?」と思ったそこのアナタ。安心してください。本作はめちゃくちゃ分かりやすい言葉で古典を読める良著です。
たとえば……
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えええええ?
ちょっと何言ってるかわかんないんですけど――
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※本文から抜粋
上記みたいな、言葉づかいです(笑)
すごく読者フレンドリー!
ラノベを読む感覚で読書しただけなのに、これを読んだアナタは「落窪物語? もちろん、どんな話か知ってるよ(ふふん♪)」と、まわりに教養を自慢できるかもしれません(笑)(笑)
落窪物語を読んだことのないすべての人におススメですが、大河ドラマの『光る君へ』を視聴中という方に特におススメ☆
時代背景がほぼ同じなので、ドラマ理解の一助にもなると思います。
何気なくクリックした作品がこの「なんちゃって落窪物語」。
読んでみたらまあ面白い。
千年も受け継がれてきた作品というのは伊達じゃない。
作者様の紹介文の通り、紫式部も清少納言も読んでいた平安時代の超絶面白ラノベが「落窪物語」ですが、その超現代語訳が「なんちゃって落窪物語」です。
ヒロインの継母を鬼ババとか、主人公をチャラい(後にチャラくなくなりますが)とか、今までの古典の現代語訳とは違う、なかなか攻めた表現をされていますが、その方が現代を生きる私達にとってはすんなり理解できるのではないでしょうか。
でもだからといって原典を蔑ろにしていることはなく、時代考証もきっちりされていますし、当時の平安貴族の暮らしぶり等もわかるようになっています。
物語の内容は継子いじめとシンデレラストーリーという古今東西にある普遍的なテンプレですが、千年前の人も現代の我々も面白いと思うところは同じで、情緒的な部分はそんなに変わってないんだということがわかってホッとしたのと同時にニヤッとしました。
こちらの作品で初めて「落窪物語」という古典があることを知った私ですが、もし古典に詳しくなくても大丈夫。
私も古典は全然詳しくありませんが十分楽しめました。
あなたも超訳「なんちゃって落窪物語」で千年前の雅な世界を覗いてみませんか?
昔々に書かれた古典の名作を、現代の人にもおもしろおかしく読めるようにしてくださった「超訳」です。
よく知っている物語なのに、「古典を読む」と身構えなくとも、寝転んでスマホ片手、もう片手にポテチで気楽に読めます。
日本の古典は大事な日本の文化です。
もっともっとたくさんの人が「ちょっと、落窪のここ、どう思う?」「ああ、あれね」と、平安時代の方たちがしていたように、今のイギリスの方たちがシェークスピアに親しむように、普段の生活にも広まってくれたらなと思います。
この作品で古典にもっと親しんでくれる方が増えるといいなと思っています。
その第一歩にこの作品、いかがでしょうか?
こなれて分かりやすい文言を用いた古典の現代語訳ものは数あれど、ここまで現代人の感覚に寄り添った訳はないのではないでしょうか。
「鬼ババ(ヒロインの継母の北の方)の出かけた隙に泥パックしてSpotifyに聞き入る女房たち」なんて、女房の置かれた境遇と解放感がこれだけで伝わってきます。
それでいて、「落窪の間」がどこにあったか、の具体的な考察、原作の曖昧な箇所を補足と共に整理して説明している所など、微に入り細を穿つ解説はとても分かりやすく、しかも楽しく理解を手助けしてくれます。
作者様の「落窪愛」が満載の作品です。是非ご一読を!
「落窪物語」ご存じですか? 内容をざっっくりまとめると、「シンデレラ物語+ざまぁ」。なんとなく想像つきますよね。これが、かの源氏物語よりも古く、日本で成立した物語だとしたら……ちょっと読んでみたくなりませんか?
本作は、そんな落窪物語を解説したものです。え、古典は苦手? いえいえ本作は、主人公が着古しぺっしょりのダウンコートを着ていたり、遠足にはしゃぐ女性たちがリュックにバナナや柿ピーを詰め込んでいる、という世界。「詠嘆」とか「係り結び」なんてわからなくても、ぷっと吹き出しながら楽しめます。さあラノベ好きなそこのあなた、ひとまずこちらから読んでみましょ。