第12話 オタク気質、突撃 2

いやーすみません。最近立て込んでおりまして汗

それでは本編どうぞー


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私は丸眼鏡との婚約を断った後、丸眼鏡が藤の花の庭園を観たいというので庭園に来ていた。


「――……やっぱり、いつ観ても綺麗な場所ですね。この庭園は」


丸眼鏡が瞳を細めながら言った。


……どことなく、瞳が無機質に見えると感じるのは気のせいだろうか。


私はなんとなく違和感を抱きつつ、そうだな、と答えた。


……おかしいな。こいつは藤の花が好きだったはず。

オタク気質な丸眼鏡ならば、鼻息荒く、藤の花の美しさを語るくらいしそうなものだが……というか、実際にされたな。この前。



そしてよくよく考えてみると、乙女ゲーの時のこいつに藤の花が好きという設定はなかったはずだ。


おかしい。


私の誕生パーティーの時から今までの間に、丸眼鏡になにがあったんだ?


――ふぅむ?


首をかしげて考えてみる。


――ふむ。


考えてもよくわからんな。

というか、そもそもこいつのことは私に関係ないのだから考える必要がない。


――つまり、考えるだけ時間の無駄だということだ。


ふー、すっきりした。

なんか頭が良くなった気がするぞ。


――?

なんか大事なことを忘れてるような気がする。

なんだったかな。


ま、忘れるくらいだから大したことのない内容だろう。


「そういえばベルベット嬢! ベルベット嬢はなぜ男装をしているのですか?」


丸眼鏡が瞳に興味を宿らせ――いや、宿らせずに、無機質な瞳のままそんな問いをしてきた。


うーん。これはさすがに異常だな。

こいつは好きなもの以外、興味を持つことがないはずだ。

服装だなんてその良い例だ。


さすがにこんな私でも心配になってくるぞ。


「どうした、あー……カイン殿。私の服装に興味を持つとは、頭がおかしくなったのかい?」


言い方は悪いが、私、これでも君のこと心配しているんだ。


私はそう付け加えると、彼の瞳を窺い見た。

丸眼鏡はほんの少し瞳に動揺を見せた。

そのとき丸眼鏡の瞳には、魔法陣が浮かび上がっていた。


うーん。これは呪い……か?


ふむ。これは少し気になる。

私は自分の魔術の一つである『解析』を発動する。


これは魔力適性検査日に発動させたステータスを見る魔法を、術式化して使いやすくしたものである。


《解析結果が出ました》


おっ、さっそく結果が出たようである。

どれどれ……。


――――――――――――――

【解析結果】


■叡智の呪い

■賢者は永久とわに冷静でなければならぬ。賢者へと至りし者、感情を捨てよ。

■感情を代償に固有術式〈叡智〉を付与する


――――――――――――――


なんかめんどくさそーなヤツが出た。





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旧 感情を代償に固有術式〈慧眼〉を付与する

新 感情を代償に固有術式〈叡智〉を付与する

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