第10話 俺 配信者になる その1

「は? いきなり何言ってるんだお前。 さては滅茶苦茶酔ってるな?」


「酔っ払ってなんか無いよ~! 至って普通だよぅ。何なら洋服脱ごうか?」


「その言葉を言う時点で酔っ払ってるんだよ! 飲み過ぎたみたいだな。お開きにしようぜ」


「冗談!冗談だから! だから真面目に話を聞いて!」


俺は洋服を脱ごうとする藍音を止めながら宅飲みをお開きにしようとするが、藍音が真剣な顔でそう言ってきたので、一応話を聞く事にした。


「あのね、私が配信者にならない?って言い出したのは、配信者になったら手軽にスノーちゃんの超絶可愛い姿を世の中の皆に見て貰う事が出来ると思ったからだよ。 それに、もし人気が出て収益化が出来たらお金が儲かるよ。スノーちゃんの超絶可愛い姿を世の中の皆に見て貰うのと、お金が儲かるかも知れない。一石二鳥じゃん」


……確かに藍音の言う通りだ。 今配信者は結構人気がある職業だ。 トップクリエイターは月に何十万と稼いでいると聞いた事がある。 配信者になれば、スノーの可愛い姿を動画に撮って世の中の皆に見て貰う事が出来る。 そして収益化が通れば下手にバイトするより儲かる。 う~ん。魅力的な話なのだが……


「藍音、俺が配信者になるとしてもだ、俺は配信者になる為のやり方を知らない。それにカメラやパソコン等の機材も持っていない。 結果を言うと俺には配信者は無理だ」


現実的な事を藍音に告げると、藍音はニコニコしながら


「大丈夫だよ。機材は私が作るし、配信者になる為のやり方は私が知ってるから。難しい事は私に任せて翔真はただ配信してくれたら問題無いよ」


「じゃあお前が配信者やれば良いじゃん。やり方知ってるなら」


「翔真は私が目立つの嫌いなの知ってるでしょう?」


「俺だって目立つのは嫌いだが?」


藍音は昔から本当に目立つのは嫌いだ。だからいつも自分からは何も言わずに黙って目立たない様にしている。 でも、藍音のハイスペックがそれを許してはくれない。 どうしても頭脳・スタイル・容姿で目立ってしまうのだ。 俺から言わせれば俺が配信者やるより藍音がした方が良いと思うのだが。


「ねぇ翔真お願い。配信者になろうよ。もし1人でやるのが嫌なら私も一緒にするから。ねっ? お願い」


「お前なぁ。お前今一緒にするからって言ったが、それじゃあお前も画面に映る事になるんだぜ? 目立たくないんじゃ無かったのか?」


「目立ちたくないよ。目立ちたくないけど、翔真と一緒なら我慢出来るよ。ねっ?翔真、配信者やろ?」


必死にお願いしてくる藍音。 何故お前はそんなに必死にお願いしてくるんだ? 絶対酔ってるだろ?


……考える事役10分少々。 ……仕方ないなぁ。これもスノーの可愛い姿を世の中に知らしめる為だ。


「……分かったよ。俺、配信やってみる。けど、1つ条件がある」


「なになに? 脱げって言われるのなら喜んで脱ぐよ? あっ、でも翔真の好みの胸やお尻じゃ無かったらごめんね? もし私のが好みじゃ無かったら、好みの胸やお尻になる様に努力はするから」


違うわアホ! 冗談でもそんな事は言わんわ! ……ん? 何か今とても気になるフレーズが藍音の口から飛び出した気がするのだが。 気のせいか? 


「脱がんでいい! 俺が言う条件とは、配信する時はお前も絶対一緒にやるって事だよ! 俺だけだったら絶対にやらないからな」


「そんな事が条件なの? 初めから一緒にやるって言ってるよ私。分かったよ。その条件は絶対に守るよ」


「絶対だからな」


「も~っしつこいぞ翔真。なんなら一筆書こうか? それと、私が裏切らない様に私の全裸写真でも撮る?」


「一筆書かなくてもいい。そこまで言った藍音を信じるから。それと、全裸写真は撮らない」


……本当は撮りたいけど。夜のお供の為に。 口が裂けてもそんな事言わないけどな。


「遠慮しないでも良いよ?」


「冗談でも女の子がそんな事言わない!! 本気にするぞ!?」


「……別に本気にしてくれても良いのに……(ボソッ)」


「ん? 何か言ったか?」


「べ~つ~に~! 何にも言ってませんよ~だ! ……翔真の馬鹿」


と言う事で、俺はなんか流れ的に配信者になる事になってしまった。 まぁ、酒が入っている時の話だから、明日になれば配信者の話は無くなっているかも知れないがな。





ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


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今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m


















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