第5話

「では明日の朝迎えにきますね」

「いや、自分で行きます」

 そう、右手を上げて制服の警官に答えた。

「そうですか。では、いつでもお待ちしております」

 パトカーはマンションの駐車場から、颯爽と夜の闇……

 ………


 明るくなり始めていた。

 元彼の逮捕。

 お金の確認。

 あたしの身元確認。

 横領とは関係無い説明。

 あたしの健康状態。


 もう、日曜日はそこまで来ていた。

 ラジオ、オンタイムで聞けなかったな。

 また、書類作るために、警察で話さなくちゃならないらしい。

 部屋のそうじ、3日は欲しい。


 2階へ上がる階段の前に来ると、新聞配達のおじさんがポストに手際よくいれていた。

 

 部屋に帰ると、テレビをつけた。

 そこには、突入されて捕まる元彼。

 画面には、人質の女性はケガ無しの文字。

 

 かず君は、歌っていた。

 テレビで。

 投光器に照らされていた。


 日付変更線に意味はあるのか

 ラインを超えろ

 国境に境はあるのか 

 時代を変えろ  


 テロリストに年末はあるのか

 ゾウはヘリコプターに乗るのか


 声は、テレビにのっていた。

 確かに、テレビで歌ったね。

 スポットライト浴びて

 

 

 後で、調べたら

 までって、その日まで入るんだって。


 寝てないから、寝れそうだし

 今日一日やる事、出来たよ。

 

 ベランダへ出ると、日の出が正面に上がるのをはじめて知った。

 こんな、いい場所引っ越せないな。

 日曜がやって来た。


 部屋に転がる、イチオーギブソン。

 かず君に、取りに来させなきゃ。


 もしかしたら、あたしが帳簿の数字を少し変えたから、それであのおじさんに振り込んだとか無いよね。


 まさかね



 

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彼氏がデビューするまでのまでっていつまで? 進藤路夢 @niseuxenntu

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