第5話

 もう、最高のライブだった。

 体がじんじんした。

 言葉だけでは、言い表すことの出来ない高揚感に包まれた。

 ライブが終了しても、高揚感がおさまらなかった。

 どうしよう?誰かと話したい。そう思って、ライブ会場の周辺をうろちょろしているときに、ライブ終了後に、あたしが声をかけた女性が喫茶店にいるのが見えた。

 声をかけるしかないと思った。

「あの、すみません」

「はい?」

 女性は驚いた顔をしていた。そりゃそうだ。少し前に初めて会ったばかりなのだから。

「なんでしょう?」

「私もご一緒して、よろしいでしょうか?」

 女性は少し考えてから、「はい。喜んで」と喜色満面の笑みで答えてくれた。

「では、よろしくお願いいたします」

 あたしは、女性の向かい側に座り、ドリンクをオーダーして、女性とアイツとソイツについて、時間が許す限り話をしたのだった。

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