第十二回 煌めきの、レッツ・コンバイン!


 ――輝ける異名。ウチが放つ陽春の光は、三メートルの巨体を砕いてゆく。



 連なる窓からも、温かな陽は差し込んでくる。


 陽春の光は、ポジティブな思想へと導く笑顔。三メートルの巨体は全身がブラック。鍍金が剥がれるように、パリパリと音を立てながら、弾けて飛ぶ……


 まるで殻を破るように。


 三メートルの巨体は今、ウチと変わらぬ大きさへ。


 ……と、いうよりか、ウチと同じ容姿。ブラックからホワイトへと変色した。それに便乗して解いた。変身を。ありのままのウチとなった。するとどうだろう? まるで鏡を見ているように、ウチの目の前にはウチがいる……と、いうことなの。


「どういうこと?」と、ミズキちゃんは少しばかり混乱。


 でも、ウチには混乱がなく、スーッと受け入れられた。サターンと呼ばれる三メートルの巨体の正体だったの。目の前にいる、もう一人のウチがまさにそうだったの。


 それは、昨日までの自分……


 ネガティブな思想のウチだった。何故現れたのか? この子がウチの影法師だから。


「どうして笑ってるの?」と、その子は言う。少し怯えた目をして。


「君と出会えたことに感謝してるから。辛かったんだね、弱虫なウチが君を苦しめてたんだね。……きっと、もう大丈夫だから。ウチの中へ帰ってきても、ウチはもう負けないからね。マジカルエンジェルは、君のことも救いたいから、だから、ねっ」


 と、手を差し伸べた。


 もうその子はサターンではない。ウチの大切な分身。ウチの中で生き続ける……ウチのお兄ちゃんに当たる子だから。本当は、一緒に生まれてくるはずだった。


 でも、生まれたのはウチ一人……


 ボッチでも、心の中では会話していたから。心の中は二人で共存していたから。生まれながらにして、ずっと一緒。だから今レッツ・コンバイン! これからもずっと……



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