ラストノート

鳴深弁

ラストノート 意味:香りが消えるまでの香り


ラストノート


香りが消えるまでの香り


消えていく儚い残り香は、あの人との想い出だと懐かしく思った。


出逢った瞬間の驚きは、

陳列された沢山の香水の中でも、こういうモノがあるんだと思えて、手にとって眺めた。


シュッと軽く空間を吹きかけた時の心地いい喜びと、欲しいという欲求が湧いて、身に付けるために自分を磨いていく事が楽しかった。


付き合う前のフランクな会話はとても楽しい時間で、会えば会うほど惹かれていって、

貴方が良い。そう願わずには要られないひと時でした。


目を瞑れば、貴方の笑顔と心地よい声を想い出す。


手にするまで焦がれ、焦がれて、笑顔の貴方の隣にいたくて頑張ったの。

欲しい。そう思えたのは久しくて、この香りに包まれたならと思わずにはいられなかった。


受け入れてくれた時は驚いた。心が悦びに震えた。

涙が出るほど嬉しくて、大事にしたいそう思った。笑ってる貴方も、様々なものを抱えてる貴方を大切にしたくて、胸にそっと抱き締められずにいられなくて、好きです。とまた伝えた。



喜びの香りも、愛しさの香りも、切なさの香りも、

全て貴方と過ごした私の大切なものでした。


空になった綺麗な瓶を眺めて、私の宝物として大切にしまう事にしました。

これ以上、落として私自身の手で壊さないように。

何よりも輝いていたものとして、私のなかで輝き続けるでしょう。

愛おしい香りは、ラストノートとして心に刻んで「愛してます」の言葉と共に流れていこう。


この瓶が満ちる事はきっとないから。



ラストノート


香りが消えるまでの香り


貴方を癒せる香りになりたかった。

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ラストノート 鳴深弁 @kaidanrenb0ben

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