第8話 金平糖を使ってみた

-ノリくん、信じてるよ。頑張れ-


瑞稀は立ち上がると空を見つめ少し強気に自分に言い聞かせるように言った。





そしてそのころ中村は…金平糖で遊んでいた。






凄い、これは凄いものだ!!

女子大生のスカートを捲ったあと俺は色んな所で金平糖の効果を実感していた。


まずはナンパされ困ってる女の子に対して金平糖を食べると、ナンパしてるやつに女の子がプロレス技で撃退したり

煽り運転の車を見つけると一粒取り出し口に入れると車がベイブレードのようにスリップしたり


「星野千恵!星野千恵でございます!!」


選挙活動が苦手な立候補者には

思ってることを相手にちゃんと伝えるようにと呟きながら金平糖を食べると

5分もすれば立候補のまわりに多くの通行人が足を止め最終的には拍手喝采!




しかしやはり中には敵わないものもある、

人間が空を飛ぶなど人間が元々出来ないことや、やはり自分に関係すること、しかしこれは遠回しに自分の望みを叶えることは出来ることはわかった、行列をなくしたい時も行列をなくすなどではなく、前の人がお腹を壊すなど自分に関係ない望みなら叶うので結果自分の望みが叶うことはわかった。

こうして勝ちとった店で俺は出来ること出来なかっ

たことをノートに書いていた。


ん?腹痛で自分に順番が来たってことは…?

これはいけるんじゃねぇか?


「なにやら楽しそうですね?」


俺がそんな悪巧みをしていると、目の前から急に声が聞こえてきた、俺はそこに目をやると


「キタカタ!?」


なんと黒いハットに黒いコートのキタカタが目の前の席に座ってホットココアを飲んでいた。


突然叫んだので周りの人がこっちを見たらしくキタカタが慌てる


「ナカムラ様ここは行列も出来る美味しいカフェなんですからそんなに声を張り上げないでください」


「えっ、あれなんでお前が?やっぱり夢じゃない!?」


「夢だったらその金平糖はあるはずないじゃないですか」


「えっ…でも店長が!!」


「それはその、うーん。ちょっと外出ますか?」


俺はそう言われるがまま何故か2人分の会計を払い店を出るとキタカタから衝撃的な事実を聞かされる


「はぁ?天使」


「えぇ。正真正銘の」


そう言いベンチに座り足を組むキタカタに天使要素など微塵も見当たらない


「つくならもっとマシな嘘つけよ」


「いやいや嘘じゃないですよ!」


「んじゃ仮にも天使ならなんで全身黒いんだよ?白だろ天使なら」


「そんな...天使だから白って天使は オシャレもしちゃいけないんですか?人間ごときがオシャレするの に?」


「マジかよスゲー口悪いなこの天使!人間ごときっていいやがった」


「いいですか、天使だって色々あるんです服とか何やらはほっといてください」


「色々ってなんだよ、てか天使がなんで俺にこんなもんを?」


「それは昨日も言った通り困ってる人を助けることが私の仕事ですから」


「ふーん、イマイチ信用出来ないけどこれ自体は本物っぽいからなー。あ、ちなみにどんな使い方しても平気?」


「もちろん、お好きに使ってください。そういえば先ほど随分楽しそうでしたね?」


「よし!楽しそうだったか?まぁ見てくれよ面白いことが起きるから」


「...えぇ、期待していますよ」


天使の許可が下りたので俺はある計画を実行することにした。


「さてさて、中村様はどういった最後も迎えるのやら」











「ところで何処へ行くんです?」


「まぁ見てろって…よしここだ隠れろ」


俺は計画を実行するために数本離れた駅の近くのサイクリングロードに来ていた。


このサイクリングロードは趣味のない田中の唯一と言ってもいい趣味のランニングコースだ。そしてなぜ来たかと言うと。


「怪我をさせるんですか?」


「あぁ!まだ本社には行ってないしここでアイツが怪我して仕事出来なかったらきっと俺が繰り上がりで本社だ」


「うーん、そんなに上手くいきますかね?」


「いかないときはそん時はそん時だよ」


そうこうして待っていると田中が現れた、そこで俺は金平糖を一粒食べ


ガリッ


「田中が仕事を休むくらいの怪我をする」


よし、言ってやった。さぁどうなる!?


俺たちが陰から待っていると前から高校生2人がチャリを漕いできた、

なぜかバナナを食べながら


まさか、これか?


そして田中の前で2人は不自然にバナナを食べ不自然にバナナの皮を棄てた


まさか本当に?


しかし期待とは逆に田中のクソ野郎は皮を避けやがった!

クソっ!これじゃ転ばないじゃねぇか!



そう悔しがると後ろからおばあちゃんが自転車に乗ってきた!

そしておばあちゃんはバナナに気づかずにバナナに直進…そして


スルッと滑り田中を引き田中とおばあちゃんの自転車はサイクリングロードの外へ放り出され、ガッシャーンという音を立てて反対側の川沿いに落ち、強風が吹きサイクリングロードの看板が外れ


ガンッ!!


という音がなったかと思えば



ファァァァァァァァー!!!?



田中の悲鳴がサイクリングロードに響き渡った。




~月曜日~


「えー…田中がお年寄りに引かれサイクリングロードから落ち降ってきた看板からお年寄りを守った結果足を骨折したそうだ、なので今回の人事異動で企画部に行くことが出来なかったので…中村、お前が繰り上がりで本社に行くことになった。」



「イヨッシャァァァァ!!!」


こうして俺は本社への切符を手に入れた。


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CONFETTI 兎波志朗 @NAMIUSAGI

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