第3話 まむめもVSはひへほ

〜そして時は流れ週末〜


俺はルンルンで会社に来ていた、ここ横浜支社は営業、事務、合わせて30人程の規模で構成されている。今日は人事異動の日なので朝からみんなソワソワしているが俺はルンルンだ。

支社ともこれでおさらばだ、山崎たちに会えなくなるのはちょっと寂しいけど…


ごめんみんな!俺には明るい未来が待ってる!!


俺より早く出勤した瑞稀に口パクで応援してるよと言われもうウハウハだ、しかしそんなウハウハルンルンな気持ちを下げるやつが既に座って俺を待ち構えていた。

そう、田中だ。


「おはよう、中村くん」


「やぁ、おはよう田中くん」


人事異動の会議で俺は久々に田中と会った。

今更だが俺の苗字は中村、田中には名前なんて呼ばれない、お互い苗字呼び。

簡単に言うとそんな関係。


田中…相変わらずないけ好かない一重メガネだ。

事務の子達曰くそれが最高らしいのだが俺にはサッパリだ。

席順の都合でしょうがなく俺は田中の対面に腰を下ろす。


「ところで中村くん、異動願い出したんだってな?」


「あぁ、お前も出したんだろ?」


「まぁね、ちなみにうわさだと企画部に異動願いを出したとか」


「それがどうした?」


「いや、君の成績は素晴らしい。が、君が契約した顧客が1番話と違うと契約解除を申し立ててるから」


「はぁ?だからどうしたんだよ?解除者を出しても俺が1番成績いいだろうが」


「そうだ、素晴らしい、しかしちゃ んと顧客に話しが通じてない[まむめも]な話しか出来ない男が企画部に行って大丈夫かと…」


そう言い終わったあと自分で上手いこと言ったと思ったらしく田中は鼻で笑った。

今日は大事な会議、大人しくしようと思った。が、ダメだった。


「[まむめも]ねー。いやぁーなんと言われようが俺はここ最近営業1位ですから?誰かと違って[はひへほ] な成績じゃないんですよ」


「誰の成績が[ふ]がいないって?」


「そっちこそ誰の話に[み]がないって!?」


「ちょっと先輩達ケンカしないで!」


気がつくとお互い席を立ち言い合いをしているとそれに気づいた山崎が飛び込んできた。

今みたく田中と会えばいつもケンカをしているくらいまったく話しが合わない、本当にいけ好かないヤツ。


山崎たちに座らされたが今だ互いにウィスパーボイスで罵り合ってはいる。

クッソ今に見てろ!?

部長があと数分したら入ってくる、そして異動の報告をするんだ、そしたら今から数十分後お前が「どうゆうことですか!?」って部長に詰め寄ってる姿が目に浮かぶぜ…クックック



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る