一般兵のある日の日記

ミンイチ

第1話

N月C日


 今日はこの軍隊が出発してから100日目の日らしいので、ちょっとだけ晩御飯が豪華だった。


 普段は薄い塩味のスープと小さい具材、硬い黒パンに加えて途中で自力で得た獣の肉や野草だけだが、今日は少し大きめのチーズもついている。


 渡される時は大きな塊から切り分けて配られた。


 このチーズは今日食べてもいいし残しておくのもいい。


 しかし、一般の兵には保存するための道具を持っているわけもなく、腐ってしまうかもしれないし寝てる間に誰かに取られるかもしれないから、ほとんどが今日中に食べるだろう。


 俺も今日食べるつもりだが、ただパンに挟んで食べるわけではない。


 まず、支給されている短剣でチーズを削る。


 そうして削ったチーズは味の薄いスープに入れる。


 こうすれば少しは味が濃くなる。


 そこに前に作ったしかの乾燥肉を少し入れればさらに味が濃くなる。


 味が濃くなったらスープに硬いパンを浸してパンを柔らかくして食べる。


 そもそも、このパンは硬すぎてサンドイッチとかにして食べることはできない。


 そのことを知らないのは一部のお偉い貴族様だとかその貴族様たちと繋がりのある大金持ちだとかの裕福な人たちだけだろう。


 そんなだからサンドイッチ用のチーズが配給されるんだろうな。


 さて、そろそろ寝なければ明日の行進でへばってしまうだろう。


 今日の日記はここで終わりにしよう。

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