今日は私とサボろうよ

檸檬 塩

第1話 君との出会い

 学校をサボって二日目。

 親に怒られたのでとりあえず家を出たが、学校に行く気にはなれない。とりあえず自転車をのんびり漕いで、まだ行ったことないところに行こうと思い、自転車の鍵を開ける。錆びついた部分が擦れ、シャッという音が鳴った。夏に聞くこの音は、不思議とワクワクとした気持ちにしてくれる。妙に気持ちが昂ったまま家を出た。



 十五分くらい走っただろうか。知らない道に出た。周りには田んぼと山しかない。風が吹いた。青々とした稲が一斉に揺れる。田んぼのずっと奥に見える遠くの山から誘われた気がした。今日はこの道に行こう。そう思いゆっくりと漕いで進む。七月の下旬に入ったいうこともあり、風が熱い。しかも蝉はうるさいし、空は馬鹿みたいに青く眩しい。だけど、そんな夏の全てが俺は好きだ。



 夏を全身で感じながら走っていると、バス停が見えた。こんなところ誰も使わないだろうと鼻で笑って通り過ぎようとした。その時、クラスメイトであり、クラスで人気のある女子を何故か見つけた。しかも彼女は制服を着て、バス停に座っていた。



 まさか彼女と親しくなるなんて、このときは思いもしなかった。







 私は朝、お母さんと喧嘩した。まだむかついているので、困らせてやろうと田んぼしかないバス停で降りた。



 ここなら誰も来ないだろう。どこに行ったのか分からないし、困るだろうなあ。そう考えるとニヤニヤが止まらない。我ながらなかなか良い仕返しなのでは。いや、お母さんだけが悪いとか思ってないけどね。


 そんなことを思いながら、カバンから本を取り出して読む。この人の作品は本当に面白い。やっぱり小説家の人たちは発想力が違うよね。私にもこんなすごい才能があったらなぁ。小説は、私の心を穏やかにしてくれる数少ないものの中の一つだ。読んでいる間だけは、何も考えないで済む。

 


 途中まで読んでいたから、思ったよりすぐ読み終わっちゃった。うーん…。よし、ゲームしよ。ポケットからスマホを取り出してゲームを起動する。ゲームって意外と発想力が鍛えられると思う。だって色々な世界観を体験できるから。やっぱりゲームを作ってる人たちって天才だ。



 ゲームをして三十分くらいたったときだと思う。人の気配がした。気のせいかな。そう思いつつも周りを見渡す。すると、私のクラスメイトであり、クラス内で結構人気のある男の子と目があった。彼は何故か制服着て、こんなところに自転車で来ていた。



 まさか彼と親しくなるなんて、このとき思いもしなかった。

 






_________________________


↑この長い棒の後は軽く雑談を書きます。

(物語の続き読みたい方は、少し面倒ですがスクロールしてください)


私の初めての作品を見てくださってありがとうございます。最後まで書いていくつもりですので、もし少しでも面白かったら、是非最後までお付き合いください。よろしくお願いします。


次もぜひ!

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