第2話

時は、4月10日の昼過ぎであった。


またところ変わって、九州北部にある高速道路にて…


高速道路上に、過積載の特大トラックが走行していた。


特大トラックの荷台をおおっているシートの中に積まれていた荷物が少しずつ道路上に落下していた。


その周囲を走っている複数の車両に乗っている人たちは、非常に不安な状態に置かれていた。


もしかしたら…


大惨事が起きるのではないか…


それから30分後であった。


(キーッ!!ドスーン!!)


過積載の特大トラックがバランスをくずして横転した。


横転した特大トラックの中から、20歳の男が逃げ出した。


横転事故を起こした上に、運転中にスマホいじりをしていた…


さらにその上に、重大なあやまちを犯したことがバレたら大ごとになるのでこわい…


20歳の男は、そんなことを思いながら逃げ回ったようだ。


九州北部の高速道路で過積載の特大トラックが横転事故で、周囲を走行していた車両が多重衝突事故に巻き込まれた…


死傷者がたくさん出た…


運転していた男は、スマホいじりをしていた…


運転していた男は、特大トラックを運転する資格がないどころか無免許であったことがデカデカと報じられた…


20歳の男は、今も逃走中である…


事故…いいえ、殺人事件を起こして逃走している20歳の男は、こともあろうに恒興つねおきのオイゴ(妹夫婦の長男)・孫市まごいちであった。


孫市まごいちは、松阪まつざか(三重県)にある私立高校コーコー推薦ひとのコネで入学をしたが、2年生の3学期から長期休学中であった。


孫市まごいちは『早く大人になりたい…』と言うて休学したあと三重県内けんないにある長距離トラックの運送会社に就職した。


孫市まごいちは、運転免許を保有していなかった…


事故を起こした特大トラックは、別の人が運転する予定だったが、途中で具合が悪くなった…


運転手は『何ごとも経験だ…』と言うて孫市まごいちに運転させた…


その横着な運転手は、車内にある仮眠用ベッドで寝ていた。


横着な運転手は、事故で亡くなった。


孫市まごいちは、4月15日の昼過ぎに恒興夫婦つねおきふうふの家族が暮らしている家に逃げ込んだ。


孫市まごいちは、恒興つねおきに対してものすごく真っ青な表情で『もうイヤや…』と言うて震えまくった。


ことの次第を聞いた房江ふさえは、大急ぎで孫市まごいちの家に電話した。


その日の夜遅くであった。


家の大広間に恒興房江夫婦つねおきふさえふうふ孫市まごいち恒興つねおきの妹夫婦の5人がいた。


孫市まごいちは『大惨事を起こして逃げたからコーコーに復学することはできない…』と言うたあと朝になったら警察署へ行くと言うた。


恒興つねおきは『わしがなんとかする…』と孫市まごいちに言うたあとコーコーへ復学してくれと言うた。


孫市まごいちは、恒興つねおきが提示した要件を拒否したあと口を閉ざした。


その後、コウチャクした状態が4時間に渡ってつづいた。


日付が変わって、4月16日の深夜3時頃であった。


房江ふさえは、ものすごく困った表情で孫市まごいちに言うた。


孫市まごいちの気持ちはいたいほどわかるわよ…九州で発生した重大事故については、おじさんとおばさんがどうにかするから…」


房江ふさえが言うた言葉を聞いた孫市まごいちは、ものすごくつらい声で言うた。


「無理だよ…そんなの無理だよ…おじさんとおばさんは、どうしたいのだよ…」


房江ふさえは、気が狂いそうな声で孫市まごいちに言うた。


「だから、おじさんとおばさんの知り合いの人に頼むから…」


孫市まごいちは、ものすごく泣きそうな声で房江ふさえに言うた。


「おじさんとおばさんの知り合いって、誰なんだよ!?」


房江ふさえは、気が狂いそうな声で言うた。


「だから、おじさんとおばさんの古くからの知り合いの人で、良識な人に頼むのよ!!」


孫市まごいちは、ものすごくつらい声で言うた。


「おばさんが言ってる意味が理解できない!!無理だよ!!」


その後、孫市まごいちはビービービービービービービービー泣きまくった。


困ったわね…


どうしたらいいのよ…


おじさんとおばさんは、社会的信用がある人に頼むと言うてるのよ…


房江ふさえは、ものすごく困った表情でつぶやいた。


この時、パジャマ姿の房代ふさよが大広間にやって来た。


恒興つねおきは、パジャマ姿の房代ふさよに対してあつかましい声で言うた。


「オラ!!牛乳出せ!!」


恒興つねおきからあつかましい声で言われた房代ふさよは、めんどくさい声で言うた。


「何よもう〜」


恒興つねおきは、よりあつかましい声で房代ふさよに言うた。


「牛乳出せと言うたら牛乳出せ!!」


思い切りブチ切れた房代ふさよは、ダイニングに置かれている日立のファイブドア冷蔵庫の中から雪印メグミルク牛乳の大きめの紙パックを出した。


その後、大きめの紙パック牛乳とガラスのタンブラを広間へ持って行った。


房代ふさよは、紙パック牛乳とガラスのタンブラをテーブルに置いた。


(ドカッ!!)


房代ふさよは、右足で恒興つねおきをけとばしたあと部屋へ逃げ込んだ。


なんでわしをけるんぞ…


ワシはしんどいんじゃ…


恒興つねおきは、いじけた表情でつぶやいたあと紙パック牛乳の注ぎ口をあけた。


恒興つねおきは、牛乳をタンブラにつぎながらあつかましい声で孫市まごいちに言うた。


「オドレ孫市まごいち!!牛乳のめ!!」


孫市まごいちは、ものすごく怒った声で言うた。


「なんだよ!!」

「牛乳のめと言うたら牛乳のめ!!」

「あなたやめて!!」


房江ふさえは、ものすごく泣きそうな声で言いながら恒興つねおきを止めた。


房江ふさえは、30秒後に泣きそうな声で孫市まごいちに言うた。


孫市まごいち孫市まごいちはなんでコーコーに行かないの?…なにが不満なの?」


房江ふさえの問いに対して、孫市まごいちは、ひねた声で『早く大人になりたいから…』と答えた。


房江ふさえは、泣きそうな声で孫市まごいちに言うた。


孫市まごいちはまだ2年生でしょ…」

「2年生だから、なんだと言うのだよ!!」

「あと2年がんばったらコーコー卒業できるのよ!!」

「男子部は進学コースしかないのにどうしろと言うのだよ!!」

「進学したい大学がなかったら、おばさんが頼んであげるわよ!!」

「頼むって、誰に頼むのだよ!!」

「本学(コーコー)の人に頼んで、孫市まごいちの学生証を(付属の)短大に行けるようにひもづけするから…」

「そんなことしてどうしたいのだよ!!ふざけるな!!」


孫市まごいちは、よりし烈な怒りを房江ふさえにぶつけた。


それを聞いた恒興つねおきは、ものすごく女々しい声で孫市まごいちに言うた。


「オドレ孫市まごいち!!クソバカヤロー!!オドレはワシの思いが分からんと言うのか!?ミミズ!!ゲジゲジ!!クソバカヤロー!!」


その後、恒興つねおきはメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソメソと泣いた。


房江ふさえは、ものすごくあつかましい声で義弟(恒興つねおきのイモウトムコ)夫婦に言うた。


「あなたたち!!だまってないでなんとか言うたらどうなのよ!!あなたたちはうちらの気持ちが全く分かってないみたいね!!」


(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)


メソメソメソメソメソメソメソメソメソメソ…と泣いている恒興つねおきは、義弟のこめかみをグーで3回殴りつけたあと、気が狂いそうな声で言うた。


「オドレらはそれでも親か!?なんかひとこと言え!!」


恒興つねおきは、オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ…と泣きながらこう言うた。


「オドレらはくやしいとは思わないのか…孫市まごいちのドーキューセがコーコーを卒業したあと…希望に満ちあふれた表情で…大学…短大…専門学校で…華のキャンパスライフを楽しんでいる…それを見てなんとも思わないのか…クソバカヤロー!!…オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ…オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ…うちの近所の…孫市まごいちのドーキューセたちは、希望に満ちあふれた表情で大学へ通っているのだぞ!!…『きょうはゼミの発表会があるのだよ…』…『きょうはスギヤマ(女子大)の女子大生たちとゴーコンがあるのだよ…素適なカノジョを見つける…』……オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ…」


孫市まごいちは、オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ…と泣いている恒興つねおきをするどい目つきで見つめていた。


房江ふさえは、ものすごく困った声で孫市まごいちに言うた。


孫市まごいち孫市まごいちは、おじさんがなんで泣いているのか…と言うことが分からないの?」

「分かんねえよ…」

「おじさんは、東北きたぐにのものすごくまずしい家で育ったと言うことが分からないのね…おじさんは、中学を卒業したあと布施(東大阪市)の鉄工所で働いていたのよ…だからコーコーへ行けなかったのよ…」

「だからなんだと言いたいのだよ!?」

「おじさんはコーコーへ行くことができなかったからつらいと言うてるのよ!!」

「だからどうしろと言うのだよ!?」

「おじさんとおばさんは、孫市まごいちにコーコーへ行ってほしいと言うてるのよ!!」

「ふざけるなクソバカ!!」


(ガツーン!!)


思い切りブチ切れた孫市まごいちは、グーで恒興つねおきのこめかみを殴りつけたあと怒った声で言うた。


「オドレクソジジイ!!なんでコーコーに行かなかった!!家がものすごくまずしいなんてウソつくんじゃねえよ!!そういうテメーがナマケモノだと言うことに気がつけよ!!」


孫市まごいちは、紙パックの中に入っていた牛乳を恒興つねおきの頭にかけた。


(ドカッ!!)


その後、孫市まごいちは右足で恒興つねおきをけとばした。


そして、家から出ていった。


孫市まごいちにけとばされた恒興つねおきは、ビービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービービー…と泣きまくった。


房江ふさえは、孫市まごいちの両親に対してものすごく怒った声で『帰りなさい!!』と言うた。


孫市まごいちの両親は、ものすごくつらい表情で家から出た。


それから30分後であった。


孫市まごいちは、中村区内くないの大通りでもめごとを起こした。


(ガーン!!)


孫市まごいちは、道路に停まっている黒のキャデラックエスカレードにぶつかった。


(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)


思い切りブチ切れた孫市まごいちは、黒のキャデラックを近くにあった鉄パイプで激しくたたきつけた。


おりわるく、この時数人のチンピラが孫市まごいちの前にやって来た。


「あああああああああ!!」

「なにしやがる!!」

「なんやオドレ!!違法駐車したオドレらが100パーセント悪い!!」

「なんやこの野郎!!」

「ふざけるなクソバカヤロー!!ぶっ殺してやる!!」


思い切りブチ切れた孫市まごいちは、数人のチンピラを鉄パイプで殴りつけて殺した。


その後、孫市まごいちは殺人罪でケーサツに逮捕された。


逮捕された孫市まごいちは、このあと九州北部の高速道路で発生した重大事故で再逮捕された。


孫市まごいちは、この他にも80の凶悪事件を犯していたので再逮捕の件数がさらに増える見込みとなった。

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