第24話 食人鬼


あと2回勝てば優勝か…


1回戦目の聖夜は…雑魚だった。


カリスマヤンキーとして名前は通っていたが、その実績は、ハッタリだった。


恐らく殺人鬼という名前も集団で弱い物を襲った事で手にしたのだろう。


よく考えたら彼奴がヤンキー時代にやっていたのは集団戦。


手下に命じて痛めつけた後にとどめを刺していた。


予選では運が良く俺みたいに弱い奴を見つけて、運よく殺せた…それだけだ。



あと2回勝てば、この戦いは終わる。


だが、そのうち1回、恐らく、物凄く恐ろしい、本物の殺人鬼にあたる。


だが、俺の算段では次の回に、そいつにあたらなければ、決勝は勝てる筈だ。


次の1回…そこで俺の今回の運命は別れる…


◆◆◆


「こんにちは少年――っ!サクヤヒメが遊びに来ましたーーっ、さぁ約束のサイン入りブロマイドだよ…はい」


「ありがとうございます」


神9ってまるでアイドルみたいだ。


着ている服までミニスカで…アイドルにしか見えない。


もしかして神9って強さだけでなくルックスも関係あるのかな。


「凄いブロマイドですね…セクシーで可愛い…アイドルみたいだ」


マジでミニスカで足が綺麗だ。


「アイドルみたい? 私ってアイドルより可愛いと思うけど」


ヤバい、目が怖い…


「ごめんなさい…褒め言葉で言っただけなんだけど…確かにアイドル以上でした、すみません」


「あははははっ、流石少年解っているね…そら握手だ…私の可愛らしいブロマイド抱えて次も頑張れってね少年…それじゃあね」


サクヤヒメは笑顔で帰っていった。


流石は神9…ただ機嫌が悪くなっただけで…とんでもないプレッシャーだ。


◆◆◆


次の相手は…誰だろう…


ウトウトしながら天井を眺めていた…


なんでこんな事になったのかな…


この殺しあいは何時まで続くのかな…


「泰明様 2回戦目が始まります、さぁ会場にお越し下さい」


「はい」


頬っぺたを叩き、俺はまた会場へと向かった。


「さぁ待望の2回戦目第一試合、この試合の司会と審判は神9の一人イナダヒメが行います…さっきまでやっていた貧相な胸のサクヤヒメと違い抜群のスタイル、大人の女…私の方が沸くでしょう? 注目の選手ですが…山神守…現代によみがえった食人鬼です。殺した数は10人を超え、その全員が女性であり、此処迄はまだ恐怖じゃありません…その女性を食べた事で知られる恐ろしい…まぁアマチュアレベルですが…殺人鬼です。 皆さんが知る話では…妻を丸々食べた事だと思います。 刑事に家を見張られている事に気が付いた守は、その処分に困り…妻を解体したあと冷蔵庫に入れ…実に10日間かけて食しました…今回の優勝者候補の一人です…迎え撃つは、弱者の星、日本のいじめられっ子代表…ラビットファング…弱いのにまだアマチュアレベルなのに字を何故かもつ謎の人間です…ありもしないウサギの牙は、果たして食人鬼に届くのでしょうか? なお、この戦いに守が勝った場合、守には『食人鬼』の字を名乗る事が許されます…それでは宜しいでしょうか? 」


「「…」」


俺達が頷くと


「それではスタートです」


殺し合いが始まった。





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