現代に転生してスローライフ満喫中だった元異世界人は、クラス転移で 異世界に呼び戻されたので召喚した王国を許さない。

リルク

第1話 異世界転生したら異世界転移させられた……

 まず、自己紹介をしよう。

 俺の名前は「上田 道彦みちひこ」……どこにでもいる普通の高校生と

 言いたいところなんだが……実は、前世の記憶がある人間だ。

 前世はファンタジー世界の住人だった。

 俺が前世の記憶に目覚めたのは3歳の時だった。

 親に言葉を教えてもらっていた時に、

 いきなりそれは来た。


 前世の意識を来世の意識に上書きする魔法、

「転生魔法リーンカーネーションアウェーネス」の効果が表れたのだ。


 ちなみに、この魔法は俺が創った魔法だ。

「創った!?どういうこと!?」と思う方、まぁ、俺の話を聞いてくれ。

 俺は前世では歴史に名を残すほどの魔導士だった。

 国を救い、魔族と戦う、英雄のような存在になっていった。

 しかし、国は俺を使い潰すつもりだったらしく、

 魔族と戦っている最中、俺の仲間が裏切り、戦場で俺にナイフを投げて

 けがを負わせて逃げ帰っていった。

 王国の刺客だったらしく、命令されて動かされたらしい。

 なぜ知っているのかって?

 俺がその後も生きていたからだ。


 けがは「治癒魔法」で治し、

 魔族たちは、「殲滅魔法」で蹴散らした。


 他人に能力を見せたくない主義だったので、

 いつも、本気の5パーセントで戦っていたのだ。

 こんなハプニングぐらい、ドーってことはない。


 そして、魔族たちを蹴散らした後、王国に帰ってきて王様に直談判。

 しかし、相手は「私たちは何もかかわっていない」の一点張り。


 仲間はいつも「王国のために!」っとかいっていた。

 しかも、裏切るときに吐き捨てたセリフは


「王国のために死んでくれ!」


 そこまで言ったのに……あ~今考えると……

「録音魔法」とか創っておけばよかったかなぁ~


 俺は王家に不敬を働いたとして王国に追放処分を食らった。

 一時、気の迷いでこの国を滅ぼそうと思ったがやめた。


 合理的に、魔力の無駄遣いだと思ったからな!

 復讐は、したくなかったわけではないが……

 まぁ。めんどくさいので……しなかった。

 その後は、自分の「ダンジョン」を創った。


「ダンジョン」とは、魔物が自然に生成され、

 そのダンジョンの主を討伐しないと魔物が一生生成され続ける、というものだ。


「ダンジョン」には「自然」のものと、「人工」のものがある。

「自然」のものは、魔王の魔力によって生成されたと 思われている ものだ。

 実際は違う。神が創ったものと、俺は定義している。


 昔、ダンジョンの研究をしていた期間があったのだが、

 中に漏れ出る魔力の成分と、ダンジョンの主が出す「オーラ」。

「オーラ」は生命力と言って差し支えないだろう。

 そして、それぞれの成分を検出して調べた結果、「神聖力」が

 含まれていると分かった。

「神聖力」とは、世界に一般的に広まっている「ゼウス」を絶対神と

 している宗教が、「魔力」とは別に、治癒や結界など、攻撃よりも支援や防御の

 魔法を使うときに消費する力だと、「ゼウス教」は唱えている。


 これは、正しいともとれるが、間違いだと俺は思っている。


 俺は「神聖力」を全く持っていない。

 その代わりと言ってはなんだが「魔力」だけは豊富だった。


 そのせいで、子供の時は「忌子」とか呼ばれてたっけな~


 話を戻すが、さっきも言った通り、俺は「神聖力」がない。

 しかし、「治癒魔法」などは普通に使える。

 それはなぜか?

 俺が「治癒魔法」に使用しているのは「魔力」だからだ。

 人間はみな普通、「神聖力」を消費するが、俺は「魔力」を使用する。


 これは、体質とかではなく、俺が改良を加えたからだ。


 実は、「神聖力」と「魔力」には大した違いはない。

 一つ言うなら、この二つは使で、使える魔法が違うということだ。


「神聖力」は神をどれだけ信仰するかによって魔法の力が変わる。

 神官になる奴は、大体が信仰深い人たちだ。

 俺は信仰度と勝手に名付けている。

 この信仰度で魔法の威力が変わることを知った俺は、

 神の存在を半確信的に認めた。


「魔力」は魔法を使うときに消費する力……ということしか分かっていない。

 俺は、こいつを変化させて「神聖力と似た何か」を創って「治癒魔法」を

 使っている。

 つまり、俺は「治癒魔法」を使うときに消費する力を、

「魔力」に置き換えて使っている、というわけだ。

「魔力」には、適正など多少問題があるものの、誰でも魔法を撃てる。

 俺はこの「魔力」を自慢ではないが、かなり使えていると自負している。


 こういう力を使って、俺は成り上がっていった。


 話を戻そう。「ダンジョン」の「人工」のものについてだが、

 このタイプはほとんど見つかっていない。

 ダンジョンを創るなどそんなこと、誰もしないからだ。


 俺はダンジョンに引きこもり魔法の研究やのシステム。

 自分の配下を創るなど、いろいろなことをした。


 そうしているうちに200年がたった。

 俺は「時間停止魔法」で年老いることはなかった。

 だが……一人が悲しくなり、ダンジョンを配下の「悪魔」、「天使」たちに任せて

「超高度魔法物理耐性結界」を4重に張って

 俺は転生した。


 さて……ここまで俺の前世について話したが、

 今世のことについてこれから話そうと思う。


 俺はその力を来世に受け継ぐことができた。

 そして、その力を使わず、この現代で生きていこうと

 そう考えていた。


 ~~~~~~~

 奈留葉なるば高校2-B

「お~い道彦~お前……ま~たやらかしたのか?」


「あはは~わりぃ~わりぃ~」


 俺は高校生活を満喫中だ。

 誰にも邪魔されないこの空間、

 遠慮がない友達、仲良くしてくれるクラスメート。


 俺はこの時を大切にしようと、

 誰にも奪わせたりはしないと、そう思っていた。


 この高校は少し偏差値が高い高校で、入るのはそれなりの努力が必要なところだ。

 俺はこの現代からいろいろなことを学んだ。

 言語体系や地理学、歴史や数学、化学などたくさんのことを学んだ。

 俺には「絶対記憶」と「記憶力拡張」の魔法を使っているので、

 確実に覚えられた。


 一応俺は学年主席だ。力を隠すとか、面倒だからな。


「お前~勉強しね~のかよ!」


「俺は一度見たものは必ず覚えているんだ。忘れないよ。」


「ほんとか~じゃあピカ……」


「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ……だろ?」


「すげーー!?ほんとなんだな!」


「あったりめ~よ。」


「おま、おまえ~羨ましいぞこの野郎。」


 こいつは「仲野 砺覇れは

 俺の幼馴染だ。まぁ、ここに入れたのは奇跡と言っていい。

 それほどこいつはバカなのだ。まぁ……おかげで飽きないがな(笑)


「なあ、今度の日曜日さ~ってうわぁ!!」


「くッ……なんだこの光は!?」


 いきなり教室の下に魔法陣が現れたかと思うと、それは光だした。


「うわぁぁ……なんだこれ!?」


「おい!どうなってる!?」


「花ちゃん……こわいよ~」


「なんなのこれ……」


 他の生徒も動揺している……!?

 これは……この魔法陣は……!?


「おい!みんな!今すぐに教室を出ろ!早く!」


「ど、どうして!?道彦くん!?」


「説明している暇は……っ!?……くそっ!間に合わなかった……」


 キュィィィィン

 その魔法陣は光がどんどん増していき視界が真っ白になった。


「これは……あの王国の紋章……」


 そう、俺が前世にいた世界の王国「ジャハガ」の紋章が描かれた魔法陣だったのだ。

 そう、の「異世界召喚」を行ったのだ。


「よりによってあの王国が……くそっ!」


 そうして、俺は意識を失った。


 ~~~~~~~~

「よくきた!異界の勇者よ。ここは王国「ジャハガ」、そして我は

 12代目国王、ハバール・ジャハガだ!」


 ああ……やっちまったよ……この感じだと、異世界転移か……


「うえぇ!?まじ!?ラノベみたいな展開が……ほんとにあるなんて……」


「異世界!?!?魔法とかあるのかな……」


「え!?もう戻れないの……」


 みんなそれぞれ驚いて動揺しているな……


「おい!道彦!異世界だぞ異世界……本物の!」


「よし!お前ちょっと黙ってろ……」


 ここから脱出するには……そうだ!あの魔法が良い!

 時間はかかるが……やってみよう!

 多分、異世界から呼び寄せた場所なら、「魔法阻害」もないはず!


「術式構築開始!移動先を選択!「ガヴァルダンジョン」に設定!転移!」


 その瞬間、俺たちはまた転移した。


「なに!?その魔法は!……待て!?」


 お前の忠告なんて聞くかよば~か!


「また光が!?」


 クラスメートたちはちょっと黙ってもらおう。

 そして俺は王様に言った。


「また会おう!王国諸君!」


「待て!?」


 そして俺たちは俺のダンジョンへ転移した。


 ~~~~~~~

「よし、追跡などはないな……おい!クラス全員集合!」


「お、おい!どういうことなんだ!道彦!説明して……」


「うるさい。ちょっと黙ってろ。」


「ひっ!?す、すんません……」


 周りもびっくりしてるな……ま、化けの皮がはがれたってところか……


「まずは俺についてこい……いいか?」


「「「「は、はい!」」」」


 説明は俺の敷地にないに入ってからだ。


 そして俺は、「ダンジョン」に入っていった。

 ~~~~~

「結構歩いたが……どこまで歩くんだ?」


「ああ、ついたぞ……ここだ。」


 そして俺たちが着いたのは行き止まりの壁だった。


「なんだここ?なんもねぇじゃん。」


「ここからが、本題なんだよ。」


 みんな不審そうにこちらを見ている。

 そして俺は配下の天使の名を呼んだ。


「ゼルエル、俺だ、だ。いるか?」


 すると、行き止まりだった壁が動いて道ができた。

 そして、そこには背中に羽をはやした成人男性が立っていた。


「ガヴァル様……ガヴァル様なのですね……私の名を……付けて下さった……」


「ああ、ただいま!ゼルエル!元気にしてたかって……ちょっ!おい!抱き着くなって……」


「俺……もう帰ってこないのかと……」


 抱き着かれてわんわん泣かれても……どうしようもないぜ……


「あ、あの~……そこの羽をはやしたお兄さんは?」


「ああ、紹介がまだだったな。こいつは俺の前世で配下にした天使だ。」


「「「「前世!?!?!?!?」」」」


「ああ……俺は転生者だ。」


「おい!道彦!ほんとなのか!?」


「ああ、本当のことだ。砺覇れは。今まで黙っててすまなかったな。」


「い、いや……それは……仕方ないと思うけど……」


「ちなみに、俺がここに転移させた。」


「「「「魔法!?!?」」」」


「ああ、一応地球でも使えたんだがな。面倒だから使わなかった。」


「そのおかげか!記憶力!」


「ああ、ずるし放題だったぜ!」


「ああ~~~こいつだけずる過ぎ!!」


「おっと、こんなとこで話してたら襲われちまう。ほれ、行くぞ!」


「ど、どこへ?」


「もちろん、俺の秘密基地だ。」


 なんで異世界転生したのに異世界転移されなきゃいけないの……

 はぁ……前途多難だ。

 だがまぁ……案外悪くないかもな……


 第1話終わり

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