暴君の前国王・グレゴールや大罪を犯した魔術師・アニエスにより、村々が困り果てていた。そこで少女・サブリナは、救世巡礼を行うことになる。
しかし、定期的にきていたサブリナからの連絡が途絶えたことで、上司のクライドが様子を見に行くことに…
とても面白いです!芯が強く、誰よりも優しいサブリナ。心の底から人の役に立ちたいと願う彼女を応援したくなります。
ちょっと強引なところやほわわんとしているところもあって、魅力的なキャラクターです。クライドや途中で出会うリノとの絡みにほっこりさせられました。
知識不足で誤った認識をしてしまったり、誰かを傷つけてしまったことはありませんか?魔力を持っていないサブリナの最大の武器は知識。
彼女は知識を使ってどのように人々の困りごとを解決していくのか。ぜひ読んでみてください。
視点は宮廷魔術師の男性。国王の命を受けて、悪名高い魔術師の弟子の少女の旅を観察しに行く。この少女こそが、この物語の主人公だ。
少女は魔術の才能が見込まれず、師に追放されたという経験を持つ。しかし、少女は持ち前の明るさと知識・知恵、そして優しさで人々を救っていた。それもこれも、師の罪を自分が償うためだ。しかし少女の体質は、ある特殊体質だということが判明する。
男性は少女と接していく内に、少女の正体と少女の師の罪について、気付かされるのだった。
主人公の厳しい優しさや、機転の良さに、ハッとさせられる一作。
中編ですが、読みごたえは長編に負けないと思います。
是非、御一読下さい。