第22話

 「覚えてるけど、たくさんあったからな」


「あの、演劇ぽっい話をしたやつです」


「あー、やったね。」


「たまに、普通に話せる時があるんですよね」


「どうしたの?」


「なんでもないです。それより、私中学生の頃虐められていました。」


 驚きはしなかった。俺の周りは虐められてた人や、一人だった奴がほとんどだったから。


 「だから、私はずっと学校では楽しくない日々を送って、家でも両親とは上手くいかない毎日でした。」


「・・・」


「そんな時に、貴方の動画に出会いました!」

店員さんは俺と手を繋ぐ。


 「えっ、えっそ、そのぉ」


「貴方の動画は、私を明るくしてくれました。」


「覚えてますか?」


「なに、なにを?」


「あの8回目の動画」


覚えてる。その会は沖奈でなく、俺の考えた会だった。


 「私はその動画が大好きで、ずっと自分の最高の動画です。今でも見返しています。」


 「そうだったんだ。」


「はい!!私の人生の生き甲斐です!!」


そこまで言ってもらえるのは嬉しいなぁ。


 あの動画は、沖奈がネタギレを起こして、俺が今まで沖奈の苦しみを動画でみんなに伝えたくて作った話だった。


 正直、人を選ぶけど分かる人にはわかって貰える動画を目指した。


 結果的に沖奈とは今は縁を切ったけど、こうやって動画に影響されて喜んで貰えた人が居たから結果オーライだな。


 「少しだけ、この公園で遊んで行きませんか?」


「いいよ!」


 そして、公園デートをしていると、

 「あつく、」

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