第17話

一輝は捕まった。


 勿論、チャンネルも閉鎖になった。


 そして叔父と叔母に言われて、どうやら妹が引きこもりになってしまったらしい。


 それはそうだ。これは正直かなりやばい事件だった。


 俺は昔のチャンネルに散々酷いことをされた○にかけたことも本気であった。


 ただ今回ほど危なくは無かった。


 

 結局、あの時もっと早く辞めなかった俺も悪いと思っている。



 俺が動画を撮ることを最初に提案したこともあったから、少しは責任を感じている。



 部屋をノックする。


 「・・・」

出てこない。


 「とりあえず、ここ開けて」


「・・・」

出てこない。


 仕方ないから開けた。


 妹はずっと布団に包まっている。


 昔から変わらない癖だ。


 「お兄ちゃん・・・」


「さっきから、ずっとノックしたぞ。とりあえずご飯食べろ」


「・・・喉が通らない。」


「そうか、ならほら栄養ゼリー系」


「それなら」

 妹はゼリー飲み切った。


 「お兄ちゃん、私これからどうしよう??」


「分からない。」


「・・・そうだよね。もう学校には行けない、顔も割れるてし」


「だな」


「・・・お兄ちゃん、もう少し優しいことを言ってよ。」


「頑張れ」


「・・・冷たいなぁ、こんな状況なときくらいいいじゃん」


「いや、俺も流石にそう思うが、かける言葉も出ない。俺も元はメンバーだったから、本気で迷っている。」


「・・・ねぇ、お兄ちゃん」


「どうした??」


「私のこと・・・養ってよ」


「嫌だよ。」


「でも、責任感じるって言ってたでしょ」


「・・・っ、そこまではない。」


「なら、私のこと好きにしていいから」


「なら、自分で頑張ってくれ」


「・・・ケチ」


 つか、本当にどうすれば良いだろうか?親の脛を齧るか、生活保護を貰うか、つまり自分でなんとかなるな。


 「まぁなんとかなるな。」


「・・・いま、お兄ちゃんの中で私の悪い扱いが決まったでしょ」


一応、妹なんだな。よくわかったな。


 「生きていけるから大丈夫だよ。栄養取ればこのままでいい。」


「・・・」


「まぁ、割と本気で、しばらくネットが収まるまでこのまま、様子を見たらまた考えよう。」


「・・・うん。」


「俺も責任感じてる部分は流石にあるから、これからはたまに顔出すから」


「・・・ありがとうお兄ちゃん・・・ありがとう」


俺も向き合うのが足りなかったのかなぁ、


 いや、動画撮影で殺しかけてくるやつを説得するのがおかしいか。

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