第2話

  バイトが終わり家に帰ると、妹はゴロゴロしながらスマホを操作している。


 「なんだよ」


 「何でもない。」

 本当に何でもない。家の中心でゴロゴロしてるから、通る際に必ず目に入るだけ。


「あっそ。」


 「あとでご飯作るから、少し待ってて」


「・・・」

 返事はない。だがこれは言わないと後で怒られる

 

 【急に飯を出すな!】


「今から風呂沸かしてくるから。」


「はやくヤレ」


俺は風呂を掃除する。


 妹はこんな口調だが、まだ小学6年生だ。


お風呂掃除をしていると、


 「ただいまー!!」

 

 母が帰ってくる。


 妹はゴロゴロから立ち上がり、

 「おかえりなさいー!」

俺とは違って元気に返す。


ーーーーーーー

 丁度風呂掃除が終わったころ、母が帰ってくる。


 「今日も遅くなってごめんね」


「いいよ、お母さん!お仕事お疲れ様!」

妹は母にはとても優しい。


 「今日ご飯作ってある?」


「これから作るって。」

俺の代わりに妹が答える。


 「そうなの?私作ろうか?」


 「お母さんは仕事で疲れただろうから休んでよ!」

そして、妹は俺の方を見て「お前がやると言え」と無言のメッセージを出してきた。


 「俺が作るよ、もう材料買ってあるから。」


「いいの?いつもありがとうね。」


 俺は何も答えない。正直俺はまだ高校生だし、学校だけじゃなくてバイトも行ってる。土日に働いてるぶん俺の方が家に金を入れてる。だからこれくらいやって欲しいと思ってるから、感謝されても嬉しくない。それでも俺が作るのは、一つは母親に倒れられたらまずい事と、

 

 「お母さん、ゲームしよう!」

 笑顔を母親に向けている。


 2つ目は妹には嫌われているが、俺は妹にどうしても強く言えず、基本甘えさせてしまうことがある。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る