第12話
笠原過去編
私はある事実を知った。
それは私の陰口を言われてること。
友達と仲良くしていたつもりで、友達に合わせることを心がけていた。
まさかそれが原因だっとは思わなかった。
流石に私のことを内心で嫌っている人は数人は居るだろうと思っていたが、ほぼ全員だとは思ってなかった。
私といつも仲が良い、いつも同じメンバーだと思っていた人に
「笠原ってさ本当に痛いよね」「うんうん、私達が仲良くしてるって思っててさ」
私は一気に孤独になった。
クラスメイトのみんなとは表面上は仲がいいが、本当はただのボッチに過ぎなかったようだ。
だけど、私もたまに顔に出て、少しずつ合わせるのが辛かったのか、段々とボッチになって来て本当にボッチになった。
嫌がらせもされるようになった。
今日は机にラクガキをされている。辛かった、虐めはここまで辛いとは思わなかった。少しだけ、今まで自分の行いを反省した。
ーーーーーー
その日も、私がいない間にラクガキされていた。
そして、私は消すために道具を持って来た。
そんなある時、私はあることに気付いた。
私の馬鹿だと思っていたバカは
「ツンツン、」
「うわっビックリした。花江さんいつから」
「最初から、」
「・・・そうなんだ。ねぇあいつ何してるの??」
「見ての通り貴方のラクガキを消してるんだよ。」
「・・・」
私は言葉が出ない。
「私さ、勇者と居る所以外、基本見たことないでしょ」
「うん」
「それはね、私は貴方と同じように昔虐められてて、虐めの多いこのクラスが嫌いだったから。」
「・・・そうなんだ。だから私が誘っても来なかったのね」
「うん」
そして、隠れてずっと洗ってる勇者を守ってる。
「前にね、私は虐められる勇者をほっとけなくて、復讐とか、反撃しないのって聞いたことがあるの」
「そして、なんて?」
「俺はバカだから分からないけど、虐める理由があるんだと思うって言われたんだよね。」
「・・・そうなんだ。」
「私がさぁ、きっと理由なんて楽しむだけだよって言ったけど」
「それで楽しんで貰えるならいいって言ったんだよね。バカだよね。本当に」
「・・・」
「でも、アイツはそんなこと言ってるけど、私に何かあったら、アイツはバカなりに頑張るんだよ。」
「・・・」
「で、結局自分以外が傷つくのは基本嫌だから、あーやって消してるの。自分のことはそれで良いって言うのに、他人になるとあーなんだから。欲が足りないと言うか、なんと言うか」
必死に私の机のラクガキを消してる。
私は、見下すことしかしてなかった。なのに、アイツはずっとあーやって
「本当は、笠原さん以外もラクガキとかの嫌がらせをされている所を見つけたら消して回ってたんだ。少しはそれを他人にアピールすればもう少しは人によく思って貰えるのに、バカだよね。まぁ私だけ彼のことを知っている感じが出ていいんだけど」
そして、ラクガキが消し終わったようで、花江さんが勇者の元に向かう。
私は隠れて、感謝の言葉を探したけど、調子物の本物のバカな私は思いつかなかった。
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