2日目 おばあちゃんの……。



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。




 きのうは、おじいちゃんに踏まれたので、今日は学習した。


 あまり足下に近づかないようにしようと。



 今日は、朝から少し小雨が降っていた。

 だから参拝客は来ないだろうと思っていたら、一人のおばあちゃんが傘を差しながら「よいしょ。よいしょ」とやって来た。


 ぺぺは大喜びで、


「おばあちゃん、がんばれ! あと少しだよー!」


 とピョンピョン跳ねながら応援する。



 やっと上りきったおばあちゃん。

 

 ぺぺは、いつものように足下に近づいたが、踏まれるといけないので5歩ほど離れた。


 そして、おばあちゃんには聞こえてないのを知っていて、


「おばあちゃん、よくがんばったね」


 と笑顔で声をかける。



 その時、ちょうど雨がやんだ。



 おばあちゃんは、傘をたたみ、そして杖代わりに地面に先をついたら、




 ブス!




 ぺぺに刺さった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る