第7話 失踪しててすみませんでした

図書委員の仕事をしてた時のこと。彼女が話してきた。


「ねーねー石井君。」


少し手を止め彼女のほうに頭を向ける。


「……何か用?」


「特に用事があるわけじゃないんだけど。雑談でもしようかなーって」


「ああそう。特に用事ないなら仕事をさっさと終わらせた方がいいよ」


「待って待って仕事に戻らないで。うーん……じゃあなんかおすすめの本を教えてよ!私のような読書初心者でも読める本、なんかない?」


仕事の手を止めて彼女に返事をする。


「……何の気の迷い?」


意図がわからず目を細めて彼女のほうを見る。


「え、えっと、なんか私も大人に近づいてきてそろそろ教養をつけておこうかなーって。来年に私も高3だし受験も近づいてるし、うんうん」


「まあ図書委員として本を知っておくのもだいじなことだしね」 


図鑑コーナーから小説コーナーにおすすめの本を探しに行くと彼女が無言でついてくる。

小説コーナーにつくと彼女に訊いてみる。


「まず君はどんなジャンルの本が好きなの?」


「やっぱラブコメかなー。生きてるんだからロマンチックな恋をしたいじゃん」



「まあ後半はさておき、キミスイがおすすめかな。ほらここにある本。文体も軽いから読みやすいし。最後で読者の予想を裏切る展開もあるからそこもいい。叙述トリックも学べるしね。あと主人公の性格も独特だから新たな価値観も取り入れられる可能性も高い。まあ端的に言えば最高だ」


思わずオタク特有の早口で彼女に返答してしまう。

そこで彼女が驚いているのが目に入る。


あ……やべ……やらかした

思わず冷や汗が出る。


「いやー、そこまで真面目に返してくれるとは思ってなかったよー。そこまで石井君が熱弁してくれるなら絶対面白いと思うから読んで今度感想伝えるねー、てか忘れないうちに貸し出し手続き自分でしてくるね」


予想以上にポジティブな反応が返ってきて安心するけど、オーバーリアクション過ぎない? あ、お世辞か。そんなことを考えながら作業を終わらせると時刻は6時過ぎだった。

作業を終わらせて一息ついてると、彼女が流れ作業のように訊いてきた。


「もう6時過ぎてるし、石井君もおなかすいてるでしょ?サイ〇リアに新メニュー出たらしいし行かない?ほら先生からおすすめ図書のPOP書く仕事頼まれたし、何の本にするか話しながらさ!」


「……いいよ」


明日学校で話し合うんじゃだめなのかと思いながら私たちはサイ〇リアに向かった。




################



あとがき(読まなくていいです)

 先日深夜2時にコンビニに行ってうどんを買ったらおまけにスイーツを付けてくれたんですよ。チェーン店でもこんなことがあるんだと驚きました。

考えられる原因として

①うどんを温めなくていいといったから

②店員さんが20秒ほど皿洗いをしてるのを待っていたから

③単純な善意


どれなんでしょうね。個人的には①か②ですね。まあこういう優しい人が報われる世界であってほしいものです。


ps 次は1週間以内には出したいです。

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