第27話

「ふーー」

 長く息を吐き刀を構える。目の前にいる俺より一回り大きな鹿が警戒しているのか近づいてこないが、いつでも角で串刺しにできるように頭をさげ構えている。

 こうなった経緯だがヨムに内緒で金策をしている。といっても家を一軒なら余裕で買える金額は持っている。

 最初からずっと戦っていたしあのでっかい熊とか結構いい値で売れる。今回のはヨムへのプレゼント用だな。

 まだ短い関係だけど俺がゲームをやめない限り一緒にいるからなんかの記念としてあげたいって思ったんだけどどうせなら素材とか自分で集めて作りたいと思い今に至りる。

 この鹿の皮が結構いい感じに使えるらしいからリアルで叩き込まれた技術でなんか作れると思って狩っている。今回使わなかったとしても今後何かしらと使えるだろうし。

 皮で首にかけるロケットとかの紐を作るのにも使えるかもしれんし。

 とまぁ、プレゼントするのに質の悪いものは買いたくないし渡したくないから素材を集めて今回は本職の人に頼もうって感じだから頑張んないと間に合いそうにない。

 金属を使うかもしれないしさっきピッケルもいくつか買ってきた。影魔法とかでつくることもできるけど作業に補正がかかるかもしれないしいくつかもっている。


 俺は一歩大きく踏み出し体の重心を左に倒す。鹿は突進のように真っ直ぐに構えていたから横から攻撃するつもりだ。刀を横持ちに持ち替えて横腹に線を入れるように通した。

 「ブルルルル‼︎」

 鹿が痛みで頭を振り回した。俺は当たらないように少し高く飛び鹿の背中に乗った。そして氷魔法で足止めしようと発動させたが何も起こらなかった。

 まぁいい、あとで調べよう。血魔法で刀を覆って背中に突き刺して頭を落とした。

 「よし、これでこいつの素材集め終わったな」

 ドロップを簡単に確認したあと受信ボックスを確認した。

 受信ボックスには運営からの一時的な簡易アップデートの内容が届いていた。

 内容を要約すると


 ・魔法はスキルレベルによって使えるものが決まっている

 (例)炎魔法LV1ではファイヤーボール

       LV2ではファイヤーアロー

                   というふうに固定される。


 ・種族スキルはレベルによって耐久力や攻撃力、回復力などが変化する。


 ・隠蔽魔法は物を隠したり自分がいた痕跡を隠すことができる。

  (例)足跡、匂い


 ・隠蔽魔法でステータスの一部を見えなくすることができる。


 ・レベルがないスキルはあまり変わらない。


 ・スキルの併合や上位スキルへの変換ができるようになった。


 ・鑑定スキルなしでもステータスを確認することができる。


 ・鑑定スキルで痕跡を見つけることができる。



 まとめた感じこんなことが書いてあった。なるほど、だからさっき氷魔法が発動しなかったのか。

 えっとステータスは、


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


  mame  ゼク  LV5  +3

  種族   始祖の吸血鬼     


 HP 10200/10200

 MP 9000/9000



 STR:440  

 VIT:370  

 INT:400  

 AGI:420  

 DEX:330  


 ステータスポイント 0 +840


スキル

生命力回復LV4 鑑定LV3 幻影魔法LV4 

隠蔽LV3 氷魔法LV4


血魔法LV4 影魔法LV5+1 使役術LV2 眷属 吸血LV3


日光耐性LV8 銀耐性LV9 聖水耐性LV9 光、聖属性対性LV2 物理、斬撃耐性LV5

魔法耐性LV3 麻痺耐性LV1  


  スキル取得可能数  2  +3


称号

プレイヤー初のユニークキャラクター


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 こんな感じになっている。魔法はスキル名をタップすれば見れるらしい。


氷魔法LV1 アイスボール

   LV2 アイスアロー

   LV3 アイスランス

   LV4 アイスショット


 なんかみたことあるもんばっかだ。影魔法はどうだろう。



影魔法LV1 シャドウショット

   LV2 シャドウスパイク

   LV3 シャドウバインド

   LV4 シャドウハンド

   LV5 シャドウクラウド

   LV6 シャドウチェイン


 今まで使ってきたものが多いな。しかもバインドって縛るとかだから熊とかと戦う時に使ったものと多分ほぼ同じだろうな。

 まだ次の素材集める時にでも検証少しするか。他の魔法も確認しないとな。

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