11/5 映画『ゴジラ-1.0』感想



 『ゴジラ-1.0』、見てきました。

 感想を書きます。まあ、別にネタバレしたからどうこうなるようなタイプの映画ではないとは思いますが、念のため、ネタバレが嫌な方は今回はお読みにならないようお願いします。






 結論から言いますと、つまらなかったです。


 全体に渡って、とにかく脚本と演出が悪い。

 セリフ回しはクサくてダサい。あらゆる心情を事細かにセリフで説明していくさまが、どうしようもなくかっこ悪い。


 主人公を含め、登場人物が妙にカリカリしていて、ちょっとしたことですぐブチギレて怒鳴り散らすのも、見ていて不快でした。

 沸点低すぎだろお前ら。


 主人公のことが好きになれなかった、というのも大きいです。

 主人公は極めて身勝手で、そのくせウジウジしており、頭も悪い。

 対ゴジラ作戦を披露するシーンで「それで確実にゴジラを殺せるのか」とか喰ってかかるシーンなんて、見ていられなかった。ンなこと、やってみなきゃ分かるわけないでしょ。確実な方法なんか無い中でどうにかできそうな案を出しただけだ、ってことくらい、少し考えれば分かること。あのシーンを見ていて「もうちょっと黙ってろよお前」って思ってしまった。主人公が喋ってこんな気持ちになってしまう映画は良くない……


 日本政府やGHQの対応にもリアリティがない気がする。

 都心で3万人死ぬほどゴジラが大暴れしてるのに、それに対して何も手を打たない? ソ連を刺激しないため、っていう理由も不自然。どう考えても国内の治安の問題やんか。「民間のゴジラ討伐プロジェクトが主役になる」っていう状況を作るためのご都合主義にしか思えない。


 肝心のゴジラの暴れるシーンも、もうひとつ迫力不足、尺不足という感じがしました。

 端的に言うと、ゴジラが怖くない。

 全体的にゴジラの挙動が「人を殺すために殺している」「街を壊すために壊している」という感があって、野生の動物としては奇妙だし、かといって未知の怪物の不気味さもない。なんか、「人間が考え出した恐ろしい敵」を演じている存在……という、ある意味ですごく人間にとって都合のいいキャラクターになってしまっている。

 なんつうのかな。こう、「殺人鬼のキャラクターがナイフをぺろっと舌で舐めちゃう」みたいな、安っぽさを感じました。


 ヒロインが死ぬシーンもね……

 見ながら「いやなんで立ち止まってぼんやりゴジラ見上げてんだよ!! 走れよ!! 逃げろ!! もうちょっと真剣に逃げろ!! お前ら!!!!!」って思ってたら、案の定、「爆風に巻き込まれるギリギリでヒロインが主人公を突き飛ばしてくれて主人公だけ助かる」ってご都合展開がやってきて……ちょっとうんざり……


 あと最後のゴジラとの決戦も、主人公が特攻したいって言い出した時点で、「はいはい、水没→浮上の作戦だけでは殺し切れなくて、最後は主人公が特攻で止めを刺す展開になるのね。あ、橘さんが座席を気にしてる……ってことは脱出装置ついてるのかな?」って予想できてしまって、しかも完全にその予想通りの展開になって、もう、なんだ、「ひねれよ!! もう少し!! 先が読めすぎるんだよ!! うわー!!!」ってジタバタしたい気持ちになりました。



 というわけで、正直退屈な映画でした、『ゴジラ-1.0』。

 『シン・ゴジラ』にハマって以降、ゴジラ映画はひととおり見に行ってるんですが、あまり面白いと思えたことがなく……どうも、僕がゴジラに向いてないのかもしれませんね。『シン』と『初代ゴジラ』はすごく楽しめたんですが……

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