第6話 女子高生の生配信!

「んじゃあ、乗って」


「は、は、はい……。そ、それでは失礼します」


ぷにゅうううう〜〜。


 ううう!

 なんという爆乳。

 そういえばウロちゃんはIカップを超えるという噂があるな。


「んじゃ、速いから振り落とされないようにしっかり掴まっててね」


「は、はい。ありがとうございます」


 お礼理由がよくわかんないけど、まぁいいや。

 それじゃあ、


「行っくよぉおおお!」


ギュゥウウウウウウウウウウウン!!


「ひぃいいいいいいい!」


「あははは! 慣れれば気持ちいいから」


「は、はひいいいいいい!!」


 近くのダンジョンを見つけよう。


「バゴーザー! ダンジョンサーチ!」


「な、なんでしょうかそれ!? 地図上にたくさん光ってる所がありますが?」


「ああ、これね。たくさんあるけど、全部バゴーザーのレベルでクリア可能なダンジョンなんだ」


「へぇ。初級なのに選びたい放題ですわね」


「まーねー。それだけバゴーザーが強いってことだから。じゃあ、近場にしよう」


「は、はい」


「行くよーー」


ギュゥウウウウウウウウウウウン!!


「ひぃいいいいいいい! い、入り口で止まってくださいねぇ!」


キキィイイイイッ!!


「着いたけどなんで?」


「ハァ……ハァ……。カ、カメラをオンにしますから」


「あ、そっか! 生配信だ」


「喋ることは決めてますか?」


「あ、なんて喋ればいいかな?」


「まずは、ご自身のことですね。愛称とかでしょうか?」


 呼び名か……。


「あんまり考えてなかったな」


「か、可愛いお名前でもいいかと……。その……。ひとえさんは……その……。か、か、可愛いので……」


「ははは。柄じゃないよ」


「そ、そうですか……」


「……ダンジョンをバイクで走るから……。ダンジョンライダーにしようか」


「あ、はい。カッコいい名前だと思います!」


 ふふふ。ダンジョンライダー。

 なんかオリジナリティがあっていいかも。


「ではアカウント名をダンジョンライダーにして生配信のカテゴリーに投稿しますね」


「あ、もう流れてるの!?」


「はい。もう流れています。動画のタイトルは私が適当につけておきましたからご安心ください」


「あ、ありがと」


「ダンジョンライダーさん。もうコメントがついてますよ」


 早っ!


『待ってた!』

『期待してる』

『期待の新人』

『この前の真偽を知りたい』


 この前は画像が見にくかったからな。

 今回は鮮明に映るだろう。


 さて、挨拶からしようか。


「ども、ダンジョンライダーです。高校生やってます。友達にカメラマンをやってもらってます。い、今からダンジョンに入りまーーす」


 こんなのでいいのかな?


 ウロちゃんは親指を立てて「いい! 最高!」と満面の笑み。感動でプルプルと震えていた。


 なんかウロちゃんって心強いな。

 よし、んじゃあバイクの説明も必要かな。


「こちらが可変ゴーレムのバゴーザーです。このバイクでダンジョンに入ります」


 あとは追々、説明すればいっか。


『変わったバイクだな……』

『かへんごーれむ??』

『メーカーどこ?』

『ヘッドの部分が馬の顔?』

『こんなバイク見たことないな』

『ゴーレムがバイクなの??』


 ふふふ。

 まぁ、バゴーザーの魅力はダンジョンでわかるでしょう。


『女子高生を見に来ますた』

『J K好きです』

『声が可愛い』

『制服似合ってる!』

『カメラマンも女の子? 声が可愛いね!』


 ええええ!?

 なんか変なコメントが入ってるな。


「なんてタイトルにしたの?」


「女子高生ダンジョンに入る。です」


 なるほど。

 的確なようで、変な視聴者が食いつくわけだ。


 自分の携帯で配信画面を見る。


『顔見たい』

『顔見せろし』

『ちょっとだけでいいからお願い顔見せて』


 絶対見せるかよ。


「カメラマンさん。顔は絶対に映さないようにお願いします」


「了解しました!」


 今の視聴者数は……。30人程度か。

 ダンジョンをクリアする頃には倍くらいにしたいな。


 携帯をハンドルの部分に立て掛けてっと。

 これで配信画面がよく見えるな。

 んで、


「バゴーザー! ダンジョンデータ。レベル2!」


 正面にダンジョンの階層と地図が表示される。


「うわ! 便利な機能ですね!」


「これがあれば迷うことはないからね。最下層まで最短で行けるから」


「あは。快適ですね」


「だね。んじゃダンジョンに入るからね」


「はい♡」


 ウロちゃんはバイクの後ろに乗ってカメラを構えた。


 よし。


「んじゃ行くよ」


「え!? あ、そういえばもうダンジョンの入り口でしたね!? ま、まさか、バイクモードで入るのですか!?」


「うん。そだよ」


「無茶です!」


「ははは!」


ギュゥウウウウウウウン!!


「ひぃいいいいい! さ、早速、階段がありますよーー!?」


「平気平気」


ガタガタガタガタガタガタガタガタッ!!


「ひぃいいいいいい!!」


「どんどん行こう!」


「こ、今度は、か、か、壁です!! ぶつかるーー!!」


「大丈夫じょぶ♪」


ギャン!!


 前輪は馬の脚に変形する。そのまま壁を蹴って方向転換。


「すごい! 流石は可変ゴーレムです!」


「撮れてる?」


「はい! バッチリです!!」


 コメントが早くなってる感じだけど?


『すげーーーー!!』

『ちょwww』

『バイクで行くんかいwww』

『無茶すんなしw』

『バイクで階段wwww』

『え!? なにCGなのこれ!?』

『ワロタw』

『これは凄い』

『トリック教えろし』

『コーヒー牛乳を盛大に噴いた』

『ダンジョン探索とはww』

『こういう展開ね。うん。ダンジョンオワタ』

『絶対女子高生じゃない件』


 ははは。

 なんか荒れてるな。

 ま、いっか。楽しくやれればいいや。


「全速力ぅ!」


ギュゥウウウウウウウン!!


「ひと、じゃなかった。ダンジョンライダーさん! モンスターです!!」


「ああ、大丈夫だから」


バシィイイインッ!!


「轢いたーーーー! モンスターを轢いて倒したーー!!」


「余裕余裕♪」


ズシィイイインッ!! 

ガシィイイインッ!!

ドシィイイインッ!!


「モンスターが次々と吹っ飛んで行きます!」


『ウマ! レベルアップ!!』


「うわぁあ! お馬さんのレベルが上がりましたよ!」


『レベルが10から11に上がりました。能力、アイテムボックスを覚えました』


 ふふふ。

 さてさて、今度のはどんな能力を習得したんだろう?



○アイテムボックス

亜空間にアイテムを収納することができる。

主人マスターはバゴーザーから離れてもどこでも使うことが可能。



 おお、やったーー!

 いい能力きたじゃん。

 しかも、 主人マスターって私のことだよね?

 バゴーザーがいなくても使えるなんて便利だな。


 ふふふ。順調順調。

 このままダンジョンボスがいる最下層までレッツゴーー!


 コメントは大盛況である。


『ちょ、力技すぎるだろw』

『モンスターをバイクで倒すとかありかよ!』

『探索しろしwww』

『え? これガチ企画!? バイクを降りずにダンジョン潜ってるの??』

『この前の配信はガチってことか!』

『おいおい。前代未聞』

『すげぇ。すげぇって!!』

『みんな落ち着け! バイクのレベルが上がってるのはシンプルに燃える展開なんだ』

『ダンジョン終了のお知らせ\(^o^)/」

『wwwwwwww』

『バイクでモンスター倒すとか草生える』

『さっきの階段すごすぎ!』

『ドライビングテクニックプロかよ!』

『これ本当にJ Kか!?』

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