第15話 初試合

敦率いる1年生は試合着に着替えた。

敦はフォワードのナンバー8をやる。

一輝はフォワードのナンバー6をやる。

6はスクラムで言うと左端の人だ。

試合は一年生用にスクラムは組まずにゲーム展開が行われる。

タックルはありでモールは禁止である。

ただし、ラックの部分では激しい衝突で危険なため組み合わず行われる。

鴨川が5番、伊沼が4番、大友、猪木、渋谷の三人が1,2,3とスクラムでは先頭の3人をやった。井宮が7番、そしてバックス陣が釜崎、新藤、伊藤、笹島、高橋、遠藤がバックスに入り、9番のハーフと呼ばれる人は城崎が行う。


このようにラグビーでは15人のメンバーで試合が行われる。今回宇佐美と他の5名は交代メンバーになった。

そして選手達は位置につきキックオフを待った。

仮キャプテンの敦チームは後攻になった。

そして、相手の大きな蹴りでキックオフ(ゲーム開始合図)だ。

早速伊藤がボールをキャッチし右に展開をした。

ボールが対角にきたため右が大きく空いていた。


どんどんパスを繋いでいきハーフライン(真ん中)より手前でタックルをされ倒れた。ラグビーではラックの部分が激しく醍醐味だが一年生の試合のためボールを前に落とすかタックルを5回されたら交代というルールなのだ。

あくまで試合になれるためのルールである。

そして、ハーフの城崎が左に展開をした。

フォワードの大友にパスが渡り猪突猛進の如く前に突き進んだ。体重も元々重く軽々相手をふっ飛ばした。

そして、ハイタックル(首もとにタックル、禁止行為)ギリギリのところでお腹にバチッと当たりボールを前に落としてしまった。


そして相手ボールになりすぐさま右に展開をした。敦チームはボールを追うために左にまっすぐ列を組み向かい合った。

しかし、相手のバックス陣にボールが行き渡り一番足の早い選手にどんどん抜かれていった。

一輝がタックルに行くも軽々と避けられ得点まで持ってかれてしまった。

相手の得点キックで7点を失った。

後半戦になり、敦チーム5点 相手は14点とリードを許した。

キックオフで後半戦が始まった。

相手の華麗なキャッチで一年生には見えなかった。

そしてまた早い選手にボールが行き渡った。

早い選手は左右にジグザグに切り込んだ。しかし、敦はそれを許さなかった。

相手のスピードが緩んだところですかさず物凄いタックルをした。


その勢いのあまりボールを落としてしまった。そしてハーフの城崎がボールを回収しフォワードの猪木にボールが渡った。猪木も体重が重く重量級の選手だ。

猪木も猪突猛進の如く敵をふっ飛ばした。

バックスの釜崎がパスを促したが突っ込むのに夢中になった猪木は止まらず倒れるまで突っ込んでしまった。

そしてまたボールを取られ相手ボールになり陣形を突破され得点されてしまった。

釜崎「おい、フォワード達。ちゃんとパスよこせよ。お前らのせいだかんな」

敦「そうは言ってもまだ判断が追い付かないんだからしょうがないだろ」

釜崎「たく、俺なら回せるのにお前らときたら」

チームは段々ギスギスしていった。


そしてゲームが終了し5対21で負けてしまった。

ゲームを終えた一年がストレッチしていると野太いがらがらの声で「集合!」と声がかかった。

選手が皆が一斉に集まった。

監督「お前らよくやった。一年も初めてにしては上出来だ。でもチームのまとまりが少し良くないからミーティングしてしっかり埋め合わせするように。以上」

選手達「お疲れ様でした!!」


マネージャー達は泥だらけのユニフォームを回収した。


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