2023/04/01

2023/04/01


 エイプリルフールではしゃいだり散髪いったり歯医者に行った。

 2日前の夜に作ったロリ紺アバターの完成度が想像以上に高く、結構気に入ってしまった。かわいい。めちゃくちゃかわいい。髪色と目の色で稲荷紺要素を確保しながら、ちゃんと美少女として完成してるのがかなり強い。せっかくモデルのデータあるし何かに再利用しようかな……。


 行きつけの理髪店で飼っているトイプードルが寝たきりで、店主から今日明日が山だと言われた。

 僕が小学生くらいの時から店の看板犬で、黒い毛並みにしっとりと濡れた鼻先が特徴的な美人(美犬)だった。来客や車にはよく吠えるが人懐っこい犬で、僕が散髪に行くたびに長いマズルを手の甲につける挨拶をよくやっていたのを覚えている。

 うちの母親に特に懐いていたが、僕の家で飼っているトイプードルとあまり相性が良くなく、最近は部屋の奥でひっそりとしていることが多い。最後に見たのは、確か一年前だ。その頃には自慢の黒毛も徐々に抜け落ち、微かに震えながら僕の手を舐めていた。立派なおばあちゃんだ。

 これを書きながら隣で寝ている我が家の愛犬を思う。気づけば7歳で、犬の寿命でいうとそろそろシニアだ。今日もはしゃいだ勢いで手首をガッツリ咬まれたけど、ここから徐々に体力が落ちていくのかな、と思う。

 この歳になって、何かの天寿を看取った経験が少ないなぁ、と思うことが増えた。小さい頃にほとんど知らない父方の曽祖母が亡くなった葬式以来、命の終わりは唐突なものだという思いがある。何年か前に母方の曽祖母が亡くなった時も、昔はよく電話くれてたなぁと思うばかりで、気付けば老人ホームに入所したらしいという話と母親から聞いた訃報だけが、情報として僕の頭を通り過ぎていった。

 事故がなければ、あと5年。30代の僕は、家族の中でも一番近くにいた愛犬の死をちゃんと看取れるだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る