夜が消えた日

Rotten flower

第1話

あれは夏のある日だった。僕の手元にあった携帯はいきなり震え、画面には昔からの友達がそこに書かれていた。

俺は緑の方をフリックすると電話に出た。

「何?今真夜中なんだけど……寝ようとしてたし……」

「あのさ……」

時計を見ると二十四時を超えている。こんな時間帯に電話とはいい度胸だ。

「で、何?用を早く言わないと切るよ?」

ほぼ脅しの様な、というか実質脅しだ。わざとトーンを低く言っているためより威圧感がある。

「月がない。外が明るい。」

彼女から聞こえたその二文で私は驚いた。いや、実際には驚いてない。どれもこれも真夜中一時的自心感覚麻痺症候群しんやてんしょんの影響だ。

「え?どゆこと?」

そもそもそんなに頭の回ってない。いや、回したくない時間帯にそんなことを考えなければいけないのだろうか。

「太陽が出てきてる。」

話が異常に簡潔すぎる。というか驚きすぎて考えられないのだろう。私は考え直しこう言った。

「時計見てみたら?」

「ちゃんと0時。」

少しずつ脳が回りだんだんと冷や汗が出始める。

「ね……どういうこと?」

焦りすぎてだんだんと舌が回らなくなっている。

「わたしにもよくわかんない。」


彼女は毎回の様にテストの点数が悪く毎回の様に補修に呼ばれていた。

結局無事に推薦で高校、大学に行ったが結局文系だったので理数は今でもできない。

そういうことを次の一言で思い出した。


「助けに来てよ。アメリカだからちょっとは時間かかるかもしれないけど。」

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