第1話「運命の招待状」

とある祝日のある朝ある家庭で奇妙な封筒がポストに入れられた 。


コンコン


「龍ー、早く起きなさーい、あんた宛に封筒が来てるわよー」


「うーん…もう少し…ねたぁい…むにゃ…」


そう俺はぼーっとしている頭で言った、昨日夜ふかしをしたせいか眠いためまた眠りにつこうとした。

その時だった。


ガチャン!


「龍!寝なさんな! なんか朝、ポストを見たらめちゃくちゃ重要そう(?)な封筒があったわよ、 普通に頭悪そうに意味不明にでかでかと極秘って書いてあって、その横に小さく本人とその家族以外見てはいけないって書いてあったわよ!、なんか普通に書いた人馬鹿だと思ったけど、一応私達は確認してないけど、お父さんも起きてるから早く起きて下に来なさいよ!」


そう母さんはいい、慌ただしく扉を勢いよく閉めた。


バタン


「全く…、母さんは朝からうるさいなぁ…

ふぅんむにゃ…あんな元気朝の俺にはないよ…ふぁ、それにしても時間何時だ?」


俺は近くにあったスマホを手に取って時間を確認した、そこには7時20分と書いてあった。


「おいおい、まだ朝じゃねぇか…まだ寝かしてくれよ…せっかく昨日合格発表が届いてこっちは気分がいいのによォ…」


そう、昨日は高校合格通知が来る日だったのだ、龍は中学校の時は不登校に近い状態だったため、志望校に行くことは叶わないと思っていたのに、つい昨日その志望校から合格通知が来ていたのだ! その時龍はめちゃくちゃ喜んでいた、その気持ちの昂りは、眠る時までおさまることはなくそれ程に、この合格はとても嬉しいものだったのだ。


「たく、せっかくの休みで、それも気分がいい日に叩き起すなよな…、まぁ…グチグチ言わずに早く行くか」


龍はそう言いながら、寝巻きから着替えて怠そうに下に降りるのだった。


「おはよう、なんだ、まだ眠そうじゃないか、まあ昨日は沢山はしゃいでいたから仕方が無いのかもしれないな、ははは」


下に降りて直ぐに父さんがとても大きい声でうるさく笑いながら言ってきた。


「ほんと、たまったもんじゃ無いよ…せっかく美少女達とエッチな夢でも見てたのにぃ…」


龍は心底残念そうに言いながら自分の席に着いた。


「あははは、それはドンマイだったなw

俺はお前と違って満足な夢だったぞ〜?」


父さんはそうにやにやと気持ちの悪い笑みを浮かべながら俺に自慢してきた、とても殴りたい。


「もうあんた達朝から呑気すぎよ、なんか凄い意味不な封筒が朝届いていたって言うのにさぁ〜」


母さんは少し笑いながらも俺の朝食を準備してくれていた。


「お、ありがと、それではいただきます、まあそれでその封筒ってなんだったの?」


俺は飯をもぐもぐ食いながら言った。


「俺も母さんも知らないぞ、龍が来てから開けようと思ってたからな」


父さんは何故か胸を張って自慢げにそう言ってきた。


「善は急げよ、早速その封筒を開けて見ましょうよ」


母さんはそう言うと俺に差し出してきた、まだ飯食ってんのに…自分で開けて先に見てくれよ…


「飯食ってんのに?見ろと?……まあわかったよ…」

俺は少しふてくされながらもその封筒を開けた、

その封筒の中には手紙とあるカードが入っていた。

「カードとこれは手紙かな?」

「そうみたいだな、内容を早速みてみようぜ」

父さんが急かすので俺は手紙を開いてみた。

俺自身少しワクワクしていたので手紙の内容を見た瞬間俺は絶句した。


機密事項

「これは貴方様が特別に暗殺学校に入学されることが決定された事をお知らせする手紙です。

貴方様はこの度政府からその異質な才能を認められ

一般人枠から進出された人です。

元々行くはずであった高校にはこちらから入学取り消しをし元々入学するであった日にちにこちらから使いをむかわすので指示に従ってくださいその時に事情を詳しくお教えします。」


「おいおいなんだよこれ…ふざけてるのか…?」


これには


「父さん母さんなにこれ」


俺は父さんと母さんも見ていた、この手紙の内容に不安を覚えて尋ねてみた。


「うーん、俺らもこれはわからんぞ…何せこんなの見た事も聞いたことも無いからな」


父さんは腕を組んで苦い顔をしながらそう言った。


「とりあえず私は学校に電話してみるわ」


母さんはそう言ってすぐさまポケットからスマホを取り出して学校に電話をかけた。


電話は直ぐに出た。


「あの、もしもし今年入学になっていた鬼塚何ですけども…」


母さんがそう言うと。


「ああ、昨日入学は取り消しにしてくれって言っていた鬼塚さまですね、今日は一体どういったご要件で?」


この会話は父さんと俺も聞いていた為、俺は物凄く驚いてしまった。


「あ、いえちゃんとしていたかどうかを確認しただけです…」


母さんはそう言って電話を切った。


「おいおい…あの手紙はまじだって言うのかよ…」


俺は少しやけくそに今食っていた朝食の残りを勢いよく口に運んだ、やっとの思いで合格した高校には行けず、まるで意味がわからない場所に連れて行かれるのだ…それでいて美少女達との青春を夢みていた、俺には余計にショックがでかかったのだ…


俺がやけ食いして食い終わると父さんが口を開きこう言った。


「まあ…この手紙は事実だったわけだ…だから来月までに覚悟を決めて待つしかないのだろう…

政府直々にだ…これは逆らえない、すまぬな龍」


そう言い父さんは俺に頭を下げ謝ってきた。


「母さんもごめんね…何も出来なくて、、、」


母さんも申し訳なさそうに謝ってきた。


「もう別にいいよ…せっかく受かったのにこっちこそごめんね…」


俺は罪悪感と不安で埋めつくされていた。


「あれそういえばこのカードは何なんだろう…?」


俺はふと気になってしまったのだ、手紙と一緒に出たこのカードが。


「何かしらね? 真っ黒で何も書いてないし」


母さんはカードの表裏を何度も見返していた。


「さぁなんなんだろうな、それがわかるのは多分…」


「来月の俺が入学するであった日か…」


このカードがなにかも分からないし、暗殺学校もなんだかわからない…なんでこんな事になってんだ…


「俺はもうごめんけど部屋に戻るわ…なんかもう気力が無いわ…学校も明日からあるけどもう来月まで行かなくてもいい…? 」


俺が言うと父さんと母さんはゆっくりと頷いてくれた、とてもありがたい…


俺は重たい足を動かし部屋に戻り、また眠りについた…不安と罪悪感に呑まれながらもゆっくりと少しの涙が頬に伝わる感触を感じながら意識を手放した…


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