第32話:休憩の合間にカズサさんたちの配信を見てみよう!


「疲れた……先が長すぎる……ちょっと休憩しましょ」


「そうですね、ちょっと休憩しますか」


 そこそこ歩いてきたし、一旦私たちは休憩を取ることにした。それにしても、今頃カズサさんたちは何してるのかな。ダンジョンの進むのに夢中で、連絡とか取れなかったし。


 そうだ! この休憩時間にカズサさんたちの配信を見てみよう!


「ミユさん、何か配信を見れるスマホとかあります?」


「え? まぁ一応予備のスマホがあるけど、何か見るの?」


「カズサさんたちの様子を見てみたいと思って。みなさん今頃どうしてるのかなって気になったんです」


「ああ、なるほど。じゃあみてみますか…… あ、カズサって人の視聴者数結構多いわね。ちっ」


「じゃあカズサさんからみてみましょう。カズサさん、元気かなぁ……」


『ぎゃああああああああああああああああパワースーツが止まらないよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』


『あっはは〜カズサ無限にビーム撃ってて草〜』


 …………


 …………


 え?


 か、カズサさん……テクノから案件でもらったパワースーツを着てたけど、それが暴走したのかダンジョンのあちこちでビームをぶちかましてるよ。

 すごくシュールな光景……しかもモモさん、それをみて呑気に笑ってるし。

 いや、確かに不意にみてしまったら笑ってしまいそうな光景だけど。


「大丈夫なのこれ。モンスターは倒せてるみたいだけど、本人の身体がやばそう」


「心配ですね……。でも、カズサさんはタフな人なので大丈夫だと思います! リスナーさんたち、カズサさん怪我とかしてませんか?」


———

「怪我はしてない。テクノのスーツが丈夫すぎて脱げないらしいけど」

「ミヒロよりかは劣るけどカズサも無双してるぞ!!!」

「ちなみに塞がれてた道をぶち壊して進む脳筋行動もしてた」

「ちなモモは何もしてない模様」

「さすがミヒロの強さを再現しただけあるぜ。代償がでかいから絶対着たくないけど」

「パワースーツ着てるからポロリがないのが辛い」

「カズサは不幸でこそ輝くんや!!!」

———


「い、一応無事みたいね。テクノは人に直接害は与えないけど、扱いが難しすぎる商品を定期的に開発するから……まぁ、その実験台にされたってことで、ご愁傷さま」


「でもこのパワースーツよく見たらかっこいいです。私もちょっと着てみたい……」


「あんたこれ以上強くなってどうするつもり!? 世界征服でもするの!?」


「世界征服……う、ウヘヘヘ、ちょっとやってみたい気持ちあります」


「え……」


———

「シャレにならんwwwwwwwwww」

「ガチでそのうちやりそうwwwwwwwww」

「ミヒロがこの世界の王となるのに賛成!!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「ミヒロ、その世界を俺らに見せてくれ」

「超速報:磯部ミヒロ、世界征服を企てる」

「修羅の国になること間違いなし!!!」

———


「じょ、冗談ですよみなさん! やってみたい気持ちは……ありますけど、本当にするわけじゃないですからね!」


「あんたなら自分で気づかないうちにしてそうだから怖い……。ん、あんたのマネージャーって田中ってやつだったよね?」


「はい、そうですよ。田中さんがどうかしました……あれ、配信アカウントがある。作ったんだな、田中さん」


「天音が配信してなかったからどうしてるのかと思ったけど、ここで様子を見れそうね。どれどれ……」


『田中さん、さっきのことは忘れてください』


『イヤイヤ、忘れるにもあれは……濃厚すぎたというか……』


『私も勢い余ってやりすぎてしまいました。反省してます。だから忘れてください』


『まぁ部屋のせいではあるけど……ねぇ。テクノロジアの真面目そうな社員さんでもあんなことしちゃだなんてねぇ』


『うっ……し、仕方ないじゃないですか。日頃のストレスで色々溜まってたんです』


『ならダンジョンから出たら、その欲望私が解放してあげますよ』


『た、田中さん……!』


 …………


 …………


 なにこれ? 田中さんと天音さん、一体なにをしたんだろう。お互いなんかちょっと不思議な雰囲気というか、もじもじしてる。


「ミユさん、田中さんたちなにがあったんですかね?」


「は、はわわわ……あ、天音嘘でしょ……あんたそういう趣味が……」


「ミユさん?」


 ミユさんまた顔を真っ赤にしてる。うーん、一体どうしたんだろう。リスナーさんたちならなにかわかるかな?


「リスナーさんたち、2人がなにしたかわかります?」


———

「ミヒロも大人になればわかるよwwwwww」

「いやー、あの配信は神だったなぁwwwwwww」

「ミヒロは見ちゃダメ」

「ホチノむっつりで草」

「切り抜きはよ」

「ミヒロもああなるんかなぁ」

「ミヒロはいつまでも純粋でいてくれ」

「田中クソ野郎で草生えた」

「田中がクソなのは今に始まった事ではないwwwww」

「とりあえず田中も天音も元気だから心配しないで大丈夫」

———


「そっか、2人とも元気ならいっか! よかったぁ、みなさん大丈夫そう……いや、カズサさんはちょっと心配だけど。でもなんとかなるよね」


「は、はわわわわわ……わ、私もいつか磯部ミヒロに……た、たまこし学園怖い……」


「ミユさん、そろそろ行きましょうか。早く先に進みましょう!」


「ヒェ!? あ、ああ、い、行くわよ!!! さ、さっさとこのダンジョンをクリアして貞操を守るんだから!」


「て、貞操? なんですかそれ?」


「なんでもないから! ほら、行くわよ!!!」


———

「ホチノむっつりすぎだろwwwwww」

「ミヒロ、墜とせ」

「あ、これはフラグ立ちましたね」

「配信BANされないよう気をつけろよ!」

「わからせがいのあるメスガキだwwwww」

「ミヒロがすべての女を手中に収めるのもそう遠くなさそうwww」

「エッチなのはだめ!」

「濃厚な百合はよ」

———


———

読んでいただきありがとうございました!


新作を投稿したので、そちらもよろしくお願いします!


「社畜、河川敷でフェンリルを拾う〜街中だと目立つので、ダンジョンの中を散歩することにしたら迷惑系配信者が解き放ったSSSSモンスターを瞬殺して大バズりしちゃいました。ちなみにスパチャは全て餌代になります」

https://kakuyomu.jp/works/16817330656703057668

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【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう 倉敷紺 @tomogainai

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