第19話:EXダンジョンの親玉モンスターもミヒロちゃんに恐れおののいちゃったみたいです


「おりゃああああああああああああああああああああああ!!!」


 90階に来てからというものの、怒涛の勢いでモンスターが私たちに襲いかかってきた。もう、全く。ですとろいやーちゃんが疲れちゃうじゃんこれじゃ! 


  あ、でもですとろいやーちゃんもいっぱいモンスターを斬れて楽しいのかなぁ? お喋りできたら気持ちを聞けるのに……。ふふっ、帰ったらいっぱいお手入れしてあげないと!


———

「猪突猛進じゃねえかこれwwwwwww」

「明らかに強いだろうモンスターたちが無双ゲームみたいに倒されてる……」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「磯部ミヒロZONEきたあああああああああああああああああああ!」

「すげえ、あまりに爽快すぎて脳汁ドバドバよ」

「ミヒロちゃん可愛くて強いだけじゃなくて俺たちに脳汁まで出させてくれるんか」

「このまま100階まで突っ走れええええええええええええええええ!!!」

「ミヒロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお結婚してくれえええええええええええええええええ!」

———


「た、田中、今何階だ!?」


「98階! も、もうすぐ過去最高到達点の99階……ウッヒョ〜、ミヒロちゃんのおかげで同接40万人きたあああああああああああああ! どれぐらいお金が入るかなぁ〜グヘヘへへへへへへへ」


「お、お前今すごい顔になってるぞ……あ、わ、私の配信にも2万人の人が……う、うっへへへへへへへへへへ」


———

「カーチャンと田中がすごい顔になってる」

「お前らちょろすぎて草」

「まだ神獣商会がギブアップした99階があるんだが」

「いやミヒロならいけるだろ」

「ほんとこいつらおもろいなwwwwwwww」

「モンスターを倒す見せ場は作れないが、それ以外のところで取れ高を作るカズサと田中」

「やっぱ配信界隈まだまだ逸材が埋もれてるんだろうな」

「おい、お前らもモンスター一体ぐらい倒してこいや!!!」

———


「私たちにあれが倒せるわけないから! 今こうやってモンスターから逃げられてるだけでも十分すごいっての!」


「ほんと田中の言う通りだよ! むしろモンスターから逃げれてることを褒めて欲しいぐらいだっての!」


「田中さん、カズサさん。階段を見つけましたよ!」


「おお、ほんとだ! よし、あと少しの辛抱、頑張るよミヒロちゃん!」


「はい!」


 そしていよいよ、このダンジョンの歴代最高到達点である99階までたどり着いた! ふう、もう少しで皆さんに頂上の景色を見せてあげられる、ワクワクが止まらないよ!


「ほお、再びここまで人間が来るとは」


「え、だ、だれ!?」


 階段を登って、99階まで来るとなんだかやけに豪華な扉があった。それを開けてみると、どこからか不気味な声が聞こえてくる。

 うーん、なんだろう? お化けとかかな……うう、ちょっぴり怖い。


「我はこの天翔る楼閣の主人たる「アマノミナカヌシ」。貴様ら非力な人間では到底及ばない力を持った、神に等しい存在である」


「うわ、なんか神々しいオーラをまとったイケメンが出てきた!? え、な、なんか……あ、足がすくんで動けない……!?」


「た、田中……私も。な、なんか……さっきまで見てきたモンスターとは別次元だよ絶対……」


———

「画面越しでも明らかにわかる、こいつは別次元だ」

「確か神獣商会はこいつに完膚無きまでにやられたんだよな……」

「俺現場にいたけど誰もこいつに攻撃できなかったよ」

「あの神獣商会のエースが手も足も出なくて引退したんだよな……」

「やばい、こいつはガチでやばい」

「モンスターのくせにイケメンで強いとかすげームカつくんだが」

「ミヒロ、やっちまえ」

「いやこいつはガチで強いって、ミヒロでも敵わない」

「は? ミヒロに不可能はないんだが」

「おいみろよお前ら、ミヒロを!」

———


「ふっははははははは! 非力、実に非力! 以前来た人間どもも貴様らのようにすぐ我に恐れおののいていたな。ああ、実に愉快だ、貴様らの絶望に満ち溢れた顔を見るの——」


「えーい!」


「な、なに!? ぐはっ!?」


 なんかペラペラお兄さん? が喋ってるけど、どうやらモンスターみたいだからさっさと倒しちゃおう! リスナーの皆さんも早く頂上の景色を見たいだろうし!


「わ、我に一撃を喰らわせるとは。見た目は小娘のようだが、お主なかなかやるようだ———」


「小娘じゃないもん、私は立派なレディーだもん!」


「ぼげぶっ!?」


———

「えー、ミヒロが一方的に攻撃しまくってます」

「ボスの威厳もねーなこいつ!!!」

「イケメンざまああああああああああああああああああああwwwwwwwww」

「そのままいけええええええええええええええええええええ」

「カッコつけてるクソ野郎には天罰がお似合いじゃああああああああああ!」

「ですとろいやーちゃんとミヒロには誰も敵わないんだ!」

「カッコつけた台詞も言わせてもらえなくて草なんよwwwwwwwww」

「おお、イケメンの顔が惨めになっていって草」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

———


「な、なんなんだお前は!? い、以前来た人間のような、鍛え上げた肉体を持っているわけでもなく、むしろ非力な小娘にしか見えな——」


「だから小娘じゃなーい! もう、私特性の秘技でちょっと痛い目見てもらいます!」


「な、なにをするつも———」


「いっくよー!!!【磯部流我流剣術:超スーパーハイパーすごいキュートなミヒロの一振りいいいいいいいいいい】!!!!!!!!!!」


「「な、名前だっさ!!!」」


———

「名前だっさwwwwwwwwww」

「なお威力は」

「あ……イケメン倒れこんじゃった」

「神獣商会涙目」

「こんなあっけなくEXダンジョンのボス倒します!?」

「いやまだ勝負は終わってない……いや、終わったか」

「お、立ち上がりそうだぞこいつ!」

「やったね、まだまだボコせるぞ!!!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

「磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!磯部ミヒロ最強!」

———


「あ、まだ立ち上がるんですね。よーし、ならもう一発痛い目見てもらいます♪」


「ひっ! わ、我が悪かった! だ、だからこれ以上痛い目つけないでくれ、頼む! わ、我が持っている宝は全て渡すから!」


「宝!? よしミヒロちゃん、許してあげよう。私たちの目的はモンスターを甚振ることじゃないからね」


「宝が欲しいだけだろ……」


「カズサしっ!」


「た、確かに……。そうですよね、必要以上に戦う必要もありませんし、田中さんの言う通りです。よし、じゃあ仲良しの握手を……あ、あれ?」


「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」


———

「怖がられてて草」

「いやあんなことされて握手はできんだろwwwwwwww」

「EXダンジョンの親玉でもミヒロちゃんに恐れおののいてしまうのか」

「超朗報:磯部ミヒロ、EXダンジョンのボスモンスターまでもビビり散らかしてしまう」

「これもう伝説だろwwwwwwww」

「神獣商会息してるか?」

「いよいよ踏破目前だ!」

「宝もきになるな、視聴者プレゼントとかしてくれよカーチャン」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

「最強という言葉すらミヒロには足りないのかもしれない」

———

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