六花とけて、君よ来い

ミンイチ

第1話

 京都では今までにないほどの大雪に見舞われていた。


 いつもの京都には雪は全く降らず、雪で電車が止まることはない。


 しかし、今年の京都は想定外の大雪に2度もみまわれ、物流に大きな支障をきたした。


 通常の配達にも大きな遅延が発生し、僕の「1/30スケール 美少女戦士ニュラルトホテプン フィギュア」もまだ届いていない。


 雪は溶けてきているが、配送の遅れはまだまだ取り戻せそうにない。


 こんな時こそ僕の出番ではないだろうか。


 僕はおもむろに部屋の隅に置いてある、日曜朝に放送されている少女向け番組に出てきそうなステッキを待ち、こう唱える。


『青き太陽よ朱に染まれ

 黒き月よ白く染まれ

 摂理は狂い

 矛盾は生まれ

 この世は楽園へと姿をかえる

 神はこの時目を覚ます

 へぇん しん!』


 僕の姿は巨大な銀色の人形に変わり、空の雲が晴れていく。


 暖かな風が体を取り巻き、雪が少しずつ溶けていく。


 ほとんどの雪が溶けたので僕は変身を解除する。


 フィギュアが届くのが楽しみだ、 

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六花とけて、君よ来い ミンイチ @DoTK

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