おや?

 みなさま、計画停電を覚えていますか? その時何をされていましたか?

 今日はそのころの かいりさんの必死の行動のお話です。


 夢のお話でも「食神」でも何でもないお話。やっぱり かいりはアホやな~って思って頂ければ幸いです。


 あの頃、計画停電のお知らせがありました。確か…夜の設定だったと思います。駅近えきちかのブロックと、大きな道路を挟んだ かいりさんのいるマンションのブロックと、ちょっと時間がずれていました。


 電車を降りると、節電されていましたが電気がついています。予定ではあとちょっとで かいりさんちのブロックの停電が始まるのです。


「あぁ~時間配分間違えちゃったぁ~」


 そうです。 かいりさんの頭の中では計画停電は既に終わっていて、いつも通りに家路につく予定でした。


 仕方がないので、時間を潰すにも30~40分駅で過ごすのはどうしたものかと。 かいりさん、急いで家に帰るという選択をしました。


「今ならまだエレベーターが動いてるかも!?」


  かいりさん、急ぎ足で帰ります。


 すると、家の1つ手前の信号で、パツンっと電気が消えました。信号機も全部。近くのコンビニも真っ暗です。

 警察の人が、信号代わりに誘導をしています。車も停まり世界が全部止まったような不思議な感覚に襲われます。


  かいりさんドキドキしながらマンションの入り口に着きました。


 なんと、自動ドアは動かず、手であけなければなりません。もちろん、エレベーターも動いていません。


 仕方がないから階段を使います。 かいりのお部屋は9階にあるのです。


 ぐるぐるぐるぐる回りながら、非常階段を昇っていきます。なんと かいりさんちのマンション。今何階なのか、どこに数字が書いてあるのかわかりません。だって、 かいりさんは100%エレベーターを使うから。覚える必要なんてなかったのです。


 ゼーハァー言いながら、さぁ9階についたぞ! 偉いぞ かいり、頑張った!


 さて、自分の部屋の前に来ると、なんだか雰囲気が違うのです。見た目は一緒なのに、何かが違う。


「あれ?」


 お隣を覗くと、みたこともない自転車とか置かれています。あれれ? 人んを覗くのもいかがなモノかと思いつつ、覗きます。


「ここは9階? ありゃ? のぼりすぎたかな?」


  かいりさんは慌てて、階段を降ります。階段を1つ降りて確認します。またまた違和感を感じます。さらにもう1つ下へ。もっと何かが違うのです。


「しまった、のぼりすぎたのではなく…まだ足りなかったんだ」


 やっと気づいた かいりさん。今度は上にむかって登ります。でもね、もうここが何階かなんてわからないのです。疲れ切って脳も心も疲労しているのです。

 それでも かいりさん、上へ上へ向かいます。


「よし、ここが9階のはず」


 もう、汗だくです。足はぱんぱん。日ごろの運動不足で大変な状態に。


「あれ? ここも違う」


 さて、困りました。上に行くべきか、下がるか…。

 遠くを見ると、 かいりさんちのブロックのみ停電しているのです。そうゆう計画なのだから、あたりまえではありますが…。


 すごく不思議な光景でした。ポツンと取り残された気分がするのです。しかもマンションには人の気配すら感じません。すれ違う人もいないのです。


 そこでやっと気づきました。9階の角部屋のお家は、表札がかかっていたことを。あぁ~なんでもっと早くきづかなかったの!?


  かいりさん、今度は慎重に1つ1つ角部屋のお家をチェックしながら歩きます。100%不審者です。


 そして下がって下がって、やっと9階に到着!


「はぁ、はぁ…」


 激しく息もあがり、くたくたです。足を上げることも、もはや無理。


「あ、あった。ここ9階だ」


 やっと自分の部屋の前に到着です。疲れ切った体で鍵を取り出しカギ穴へ。




 バチンっ。


「えっ?」


 そうです。そうなんです。マジで鍵穴にカギをさした途端、電気が点いたのです。


「う、ウソでしょ?」


  かいりさんのとった行動は…意味があったのでしょうか?


「ま、待っていればよかった…」




END

*ご利用は計画的に! という教訓でございます。時々こんな感じにめちゃくちゃな選択をしちゃうんです。私だけは大丈夫! なんていう根拠のない自信。これどうにかならないものですかね(涙)

*今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました!(ぺこり)

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