そこ座れ!逃げるのか!?

 これは夢じゃなくて、お酒のお話。


 良い子は真似をしちゃダメなお話やつです。どうゆうこと?と言うと、お酒に飲まれて失敗しちゃったアホな大人のお話なのです。


  かいりさんには、忘れられない失敗が3つあります。(3つもあるんかい!?)今回はそのうちの1つ。穴があったら入りたい…。


 でもね。クスクスって笑ってもらえたら、嬉しいのです。



 大人になって、お酒も飲めるお年頃になった かいりさん。最初はお酒の飲み方も、自分に合うお酒の種類も、量も分からない。そんな頃のお話です。


  かいりさんのお爺ちゃんは、若かりし頃は一升瓶飲んじゃうくらいの酒豪でした。亡くなる直前まで、一人で晩酌しちゃうくらいお酒が好き。

 だからきっと、 かいりさんも飲める!と思い込んでいました。


 人生の中でお酒を飲みすぎて、記憶をなくす。なってことを経験された方もいることでしょう。(そうはいないのかしら。)


  この頃のかいりさんは、へんなヒーロースイッチが入っていて、後輩くんや、協力会社さんの待遇について、先輩に不満を抱いていました。私が頑張れば、会社の体質を変えられる!的な変な正義感。


* * *


 ここは部の飲み会。全員参加必須(みんな忖度してそうなってたんじゃないかな~?)の飲み会の宴会場です。


「お前はさ、考え方が青いんだよ。理想だけじゃどうにもならないこともあるんだ。ま~あと4年くらいたてば、お前もわかるだろう。」

「えーそんなものですか?でもおかしいって思うんです。」


 飲み会の席で、先輩にお酒を注ぎながら理想を語る かいりさん。先輩のことが大好きだったから、尊敬していたからこそ!理解して欲しいって思っていたんですね。


「ま~飲め。」

「私はウーロン茶でいいので。」

「なにー!? 俺の注ぐ酒が飲めないっていうのか~(笑)」


 お断りできない雰囲気。そんなことで忖度しながら注がれた酒をがばがば飲んで、 かいりさん、目は虚ろに。


「……。」


「はっ。あれ?」


 この瞬間、 かいりさんは記憶が飛んでいます。寝ちゃった?テーブルに肘をついて頭を抱えていました。

 心臓がドキドキしています。これはお酒のせいかもしれません。


 気付くと先輩は隣におらず、 かいりパパと同じくらいのお年の部長さんが側に座っていました。


「あ、あの…すみません。私何かしましたでしょうか?」


 基本ビビリなので、 かいりさんおそろおそる部長さんに聞いてみます。


「いや、何も?」


 お優しいお顔で、そう言いました。


* * *


 翌日、その場にいた同期くんに、おそるおそる昨夜のことを聞いてみます。


「昨日、私何か…やらかしたかな?」

「いや。大したことはしてないよ。」


 えっ?大したことはしてない…、と言うことは?何かしたってことだよね?


「なんかね、先輩が席を立とうとした時だったと思うんだけど。」

「う、うん。」


  かいりさん、めちゃくちゃドキドキしています。


「『ちょっと待て!どこ行くんだ?そこ座れ!逃げるのか!?』って言ってた(笑)」


 先輩にそんな事を!?


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーっ?」


 がーーーーん。なんていう暴言を。側には部長も座ってた。そこ座れ!はないわな…。


  かいりさん、顔面蒼白状態です。


「それだけだよ。後は寝てた(笑)」

「…。」


 それだけって…。



END

*お酒は飲んでも飲まれるなってことです('ω')。良い子は真似をしないように。先輩もあははは。って笑ってくれていたので結果オーライです。たぶん。きっと…。

*今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました!(ぺこり)

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