混浴?え?水着必須ですか?

 青春真っただ中の かいりさん。夏はもちろん秋も元気に泳いでます。


 当時の水泳部は秋口になっても練習があり、プールサイドに隣接しているドラム缶風呂で体を温めては泳ぐ。寒くなったら慌てて風呂に入る。なんて過酷な練習をやっておりました。


 もちろん、新入部員が薪で火を起こすのがお仕事で、先輩が先にお風呂に入り残り湯をいただくのが常でございました。


 ドラム缶は3人は一緒に入れるくらいの大きさ。なかなか気持ちの良い物です。そんな青春まっただなかに見た夢のお話。


* * *


 ここはどこだろう? 市営プールの更衣室の様に広くて水と塩素が混じった様な臭いがします。


 知らないおばさんとか、おばあさんとかが桶とタオルを持ってドアをガラガラっとあけて出ていきます。


「そうか…ここはお風呂場の脱衣所か。」


 冷え切った体を温めるために、準備をして浴場へ。そこは広々としていて、真ん中に岩があるような温泉浴場。あまり人気はありません。みんな体を洗ったり頭を洗ったりしていて、湯船につかっている人は一人もいません。


「ふぅ~っ。」


 なんて気持ちがいいのでしょう。温泉最高ーっ。!という気分ですw 目を閉じて頭にタオルを乗せて…。


 すると…。


「えっ?嘘でしょ?ここ女湯ですけど!?」


 知らないおじさん、おじいちゃんがぞろぞろとお風呂に入ってきます。も、もしや。女湯と男湯の入れ替えで…そのまま居座りつづけてしまったのか!?と かいりさんは慌てます。


 どうしよう。どうしよう…。湯船からあがったら、絶対気づかれる(/ω\)。絶対そんなのイヤ。どうしよう。


 もしかして、ここは混浴?いや、水着着用必須地帯? 頭の中は自分の失態を呪う言葉ばかり。私だけが勘違いして水着を置いてきた!?そんな馬鹿な!


「お待たせ!」

「えっ?」

 

 爽やかな声で話しかけられました。話しかけられるだけでなく、湯船の向かい側にちゃぽんとその人は入ってきたのです。


 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ。


 そのころ大好きだったミュージシャンのグループの~推しメン!ではない人が目の前にいるのです。しかもお風呂の中に。相手は水着を着用している様で…私だけ間違えて…。


「あの…。ここは女風呂ですよね?」


 恥ずかしすぎて、こんなことしか言えない かいりさん。推しではなかったことに悲しむどころの余裕はありません。


「応募ありがとう。君が当選したんだね。」


 意味わかりませんw何か応募したかな~?ファンクラブに入ろうとしてたけど、まだ応募してないし…。


「えっと…。」


 推しではないその人は、にっこり営業スマイルで私を眺めています。こうなったら、この人がお風呂を出るまで…ここでじっとしておこうと腹をくくります。不思議と暑さは感じないし、むしろ寒くて水風呂につかっているような気分。


「はーい。次の方が待ってます~。次のお風呂に移動してください!」


 遠くからスタッフさんらしき声が聞こえてきます。


「助かった…。」

「残念だね。もう行かなくちゃ。」

「は、はい。ありがとうございます。」

「そうそう、君水着持ってないの?」


* * *


 その一言で目が覚めました。布団もかけず縮こまって寝ていた かいりさん。風邪ひきますよ。


 推しメンが登場しなかったことがちょっと悲しくて、推しメンに会えなかったことにホッとして…。本当に変な夢でした。


 思春期のJKが、一人で混浴に入るのもおじさん軍団とお風呂に入ることも決してありません!(たぶん)



END


*次回は誰もが一度は経験あるハズ!夢の中でトイレを探し回る不思議な夢のお話。続きはNext storyで☆

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