魔法使いになった(失踪)

おもろいやん星人

第1話 異世界に来たら下ネタ魔法使いだった

「え? 俺が異世界に来ちゃったの?」


目覚めたら見知らぬ森の中だった。周りを見渡しても人影はなく、動物や鳥の声しか聞こえない。


「どういうことだよ……」


佐藤太郎は困惑した。彼は昨日まで普通に高校生活を送っていたはずだ。しかし今朝起きたら、こんな場所にいたのだ。


「もしかして夢かな?」


太郎は自分の頬をつねってみるが、痛みが走る。


「痛っ! やっぱり現実か……」


太郎はしばらく呆然と立ち尽くしたが、やがて気を取り直す。


「仕方ない。とりあえずこの森から出よう」


太郎は背中に背負っていたリュックサックを確認する。中身は昨日学校から帰ってきた時のままだった。教科書やノート、筆箱や弁当箱などが入っている。


「これじゃあ何も役に立たないな……」


太郎はリュックサックを投げ捨てると、森の中を歩き始めた。


しばらく歩くと、小さな川が流れているのを見つける。


「水だ! よかった……」


太郎は喉が渇いていたので、川に近づくと手で水をすくって飲んだ。


「ん? これ……お茶?」


水ではなくお茶だった。しかも甘くて香ばしいお茶だった。


「何だよこの川……」


太郎は不思議そうに川を見つめる。すると川から声が聞こえてきた。


『こんにちは』


「え?」


『こんにちは』


声は明らかに人間ではなく動物のようだった。太郎は声の方向を探すと、川岸に白くてふわふわした動物が座っているのを見つける。


それはウサギだった。しかも普通のウサギではなく、頭に角が生えていて、背中には翼がある。


「な、なんだあれ……」


太郎は驚いて後ずさる。するとウサギは笑顔で言った。


『私はティーラビットという種族です。この川は私たちの住処で、お茶の川と呼ばれています』


「お茶の川?」


『そうです。この川の水はお茶になっているんですよ。美味しいでしょう?』


「まあ……美味しいけど……」


太郎は困惑した。この世界には話すウサギやお茶の川があるのか?


『あなたはどこから来たんですか? こんなところで迷子になっているんですか?』


ウサギが尋ねる。


「えっと……実は俺、異世界から来たんだ」


太郎は正直に答える。


『異世界? それってどういうことですか?』


ウサギが不思議そうに首を傾げる。


「俺もよくわからないんだけどさ……昨日まで俺が住んでた世界と違う世界に来ちゃったんだよ」


『違う世界……それって魔法で移動したとか?』


ウサギが聞く。


「魔法? そうかもしれないけど……俺、魔法使えないし」


太郎は自分の手を見る。この手で魔法を使えるとしたら、どんなことができるだろうか?


『魔法使えないんですか? それじゃあ大変ですね。この世界では魔法が必要不可欠ですよ』


ウサギが言う。


「必要不可欠ってどういうことだよ?」


太郎が聞く。


『例えば食べ物や水や衣服や道具など、色々なものを作ったり修理したりする時に魔法を使います。また、危険な魔物や敵から身を守ったり攻撃したりする時も魔法を使います』


ウサギが説明する。


「そうなのか……じゃあ俺、この世界では何もできないってことか……」


太郎は落胆する。


『そんなことありませんよ。あなたは魔法使えなくても、他の能力があるかもしれません』


ウサギが励ます。


「他の能力?」


太郎が疑問に思う。


『そうです。この世界には魔法以外にも様々な能力があります。例えば、剣術や格闘術や暗殺術や盗賊術や錬金術や医術や占い術などです』


ウサギが挙げる。


「そういうのもあるのか……」


太郎は興味を持つ。


『もしかしたら、あなたはその中のどれかに才能があるかもしれませんよ』


ウサギが言う。


「でも、どうやってそれを見つけるんだ?」


太郎が聞く。


『それは……試してみるしかありませんね』


ウサギが答える。


「試すって……どうすればいいんだ?」


太郎が尋ねる。


『それは……私にもわかりません』


ウサギが困った顔をする。


「じゃあ、意味ないじゃん……」


太郎は苦笑する。


すると、突然空から声が響く。


【異世界転生者の佐藤太郎さん、こんにちは】


「え? 何だこれ?」


太郎は驚いて空を見上げる。しかし何も見えない。


【私はこの世界の管理者です。あなたを異世界に転生させた張本人です】


「管理者? 転生させた張本人? お前、何言ってんだよ!」


太郎は怒鳴る。


【落ち着いてください。私はあなたに説明します】


「説明するって、何をだよ!」


太郎は怒りを抑える。


【あなたは元々別の世界に住んでいましたね。その世界は私が管理している一つのゲームでした】


「ゲーム?」


太郎が呆然とする。


【そうです。あなたの住んでいた世界は、私が作った仮想現実のゲームです。あなたもそのゲームのプレイヤーの一人でした】


「プレイヤー?」


太郎が信じられない顔をする。


【はい。あなたはそのゲームに参加するために、自分の記憶や人格を一時的に封印して、高校生の佐藤太郎というキャラクターになりました】


「記憶や人格を封印?」


太郎が混乱する。


【そうです。そのゲームはリアルさを追求したものでしたから、プレイヤーは自分がゲームをしていることを忘れて没入する必要がありました。だから、あなたも本来の自分を忘れて、佐藤太郎として生活していました】


「本来の自分って……俺は一体何者なんだよ……」


太郎が呟く。


【それは今は教えられません。しかし、そのゲームには期限がありました。ある日、突然終了することになっていました】


「終了?」


太郎が驚く。


【そうです。その日が昨日でした】


ありがとうございます。続きを書きます。😊


```

【はい。昨日、あなたは学校から帰ってきて、ベッドに入って眠りにつきましたね。その時、ゲームは終了しました】


「終了したって……どういうことだよ?」


太郎が問う。


【ゲームが終了すると、プレイヤーは元の世界に戻ります。そして、記憶や人格も元に戻ります】


「元の世界に戻る? じゃあ俺は……」


太郎が自分の身体を見る。しかし、何も変わっていないようだった。


【あなたは特別です。あなたは元の世界に戻らず、別のゲームに移動しました】


「別のゲーム?」


太郎が困惑する。


【そうです。この世界です】


管理者が言うと、空から光が降り注ぐ。太郎は目を細めると、空に文字が浮かんでいるのを見た。


『異世界転生物語』


「これが……別のゲーム?」


太郎が呆れる。


【そうです。この世界は私が作った新しいゲームです。異世界転生ものです】


「異世界転生ものって……」


太郎が苦笑する。


【このゲームでは、あなたは異世界に転生した魔法使いとして冒険します。魔法やスキルやアイテムを使って、魔物や敵と戦ったり、仲間や恋人を作ったりします】


「それって……普通のファンタジー小説じゃん」


太郎が呆れる。


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