(続き3)

おじいちゃんたちが話していたきつい方言との類似点がある

だが母音が重なったときの変化の仕方とか雰囲気が九州特有の話し方でありながら、使っている単語は聞き馴染みなかったな、反省。

 会話を聞いてみると「お」が完璧に消えているように感じる、話す言葉から「お」を誤魔化してみよう。

ひらがなで書いているとわかりずらいが彼らが使っている言葉には「Y」の音が多用されているようだ

 この二つの特徴は私の方言では存在しない、この地域特有の方言であろうか?

いや、そもそもここは一体どこなのだろうか、場所が変わっていなければここは大学があった日遠路市である筈。

先ほどの考察を検証するときが来たようだ、私は先に記したことを配慮しながらここがどこなのか聞いてみた

「こk…けけはでけですか?(ここはどこですか?)」


「けけ?けんわひぃえんい」


ここは…ひえんい?日遠路なんだな!?

「ていうけては、けけはにへん!?(と言うことはここは日本!?)」


「にへん?ん~たらひ‥いが?…ん!にぇへん」


凄いぞ!おそらく意思疎通がとれている!ここまで上手くいったのは久しぶりだ!

私は鳴き声でセミの存在を認知していたおかげでその事実をすんなり受け止めることが出来た。

私は新しいおもちゃを手に入れた子供のような表情、声色でこう続けた


「しーません、へんてーにわすれやすーて、今何年でしたっけ?

(すいません本当に忘れやすくて、今何年でしたっけ?)」


 この予想は念のためだ、日本であることは今確定したので次に気になるのは年代、十一世紀か十二世紀のはず、もしもこれがあっていればこのわけのわからない現象はタイムスリップと結論図けられる。

 門番の彼は私の方向を向いたまま私のことを見ている、よく見てみると彼はとてもやさしい目を持っていることに気が付いた。

よい家庭を持っていそうだ…身勝手だが私は彼が人を傷つけるかもしれないこの職から降りてほしいとさえ思ってしまう程だ。

そんな彼は心配そうに私を見つめながら、こう言った


「?えじぇんえんじゅーにぃにぇんがや」

「…っは?」

「だら、”いぇん・しぇん・いぇん・じゅー・にぃ・にぇん・がや?

ん?うつぃがばうせつぃーてん?」


えっ?…

いぇん…しぇん?なんだそれ?私が思っていた解答と違ったぞ?

頭の中でまったく単語と結びつかない、いったい彼はなにを言っていったんだ?…


私はその回答が思いつかないまま、そのまま地面に倒れてしまった


あぁそうだ、そういえば水が飲みたかったんだ…

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