第3話 幻の歌詞

 寂しい話だが、ちょと前に親父の一周忌があった。叔父さんが食事の場で歌を歌い出した。昭和の統合で消えた朝比奈中学校の校歌だった。

どういう行政の運用なのか、何年も存在しなかったという幻の中学校が朝比奈中学校だ。

 そしてその校歌の歌詞は私の親父が作ったと言う。

「えっ」初耳だ。今まで1度もそんなことを聞いたことがない。

 音楽が好きと言う印象もない。藤圭子や石原裕次郎のレコードを2、3枚ぐらい持っていたと思うが、3秒ぐらいの鼻歌を何回かしか聞いたことがない。

 話しを聞いてみると、新設された朝比奈中学校が校歌の歌詞を募集し、うちの親父の歌詞が採用されたらしい。

 在校生から校歌の歌詞を募集する中学校って・・・

幻の中学校

幻の作詞家

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