第2話 バンドマン

 そこそこ幼き頃、学校の友達に誘われ浜○省吾のコンサート行った。それほどファンと言うほどでもなかったが、地方に来てくれたいい機会だから行ってみた

 満足のいくいいコンサートだった

2人は会場裏で出待ちをした。ロックスターはチラッと見えたが車に乗り込み行ってしまった

コンサート会場は駅から数百メートルのところにあった

 ツアーの途中だ。新幹線で次に移っていくと友達と2人で考えた

 おそらくすぐ移動する。新幹線のホームへ行けば会えるのではないかとダッシュした。

 入場券を買い、息を切らせてホームまで登りきると豹柄が服の一部に付いた派手な人影が目についた。彼はそこにいた

 彼はいつものようにサングラスをかけて、女の子のファンに囲まれていた。出待ちをせず直接ここに向かったファン達だ。

 ぐいぐいと近づき、「男の子、男の子」と他のファンとの違いをアピールすると。浜○省吾は「おおっ」と言った。そして握手をしてもらった。柔らかい手だった。彼は私が握手をした唯一の芸能人となった


 時が経ち、私も就職するような歳となった。

 ギターも2本目を買ったりして、音楽好きになっていた

 昔から親戚でバンドマンをやっている人がいるという話は聞いていた。何の楽器をやっているのかなとはちらっと思ったことがあった。

 正月の親戚の集まりの時に、バンドマンの情報が入ってきた。そのバンドマンとは浜○省吾だった。バンドマンと言うには大物過ぎる。

有名になると親戚が増えるといった類のレベルの親戚が私だった。おじさんの嫁のいとこなので、私とはミトコンドリアレベルのつながりは全く無い

 握手をした唯一の芸能人が親戚だったとは

 

 いや待てよ、余談だが、ジャガー横田とデビル雅美とはプロレス会場で握手をしたことがある。ガッツ石松とはボクシング会場ですれ違った。そういえば、最近、薄口政治評論家と芸人のオッパッピーとは遠き札幌の街で、撮影中の彼らとすれ違った。

 

 記憶とは次々と芋づる式に蘇るものだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る