悪魔の契約–devil's contract–

木漏日レン

プロローグ

出会い

俺ー田鹿 蒼たじか あおいーは昔からいじめられやすかった。否、1年365日ずっといじめられていた。幼稚園では髪の色がみんなは黒いのに俺だけ少し青みがかった黒だからという理由でいじめられ、小学校では運動と勉強がみんなより出来たのであることないこと噂され、それが全校生徒に広まりいじめられ、

中学校では「いつも黙ってるし、顔色悪くてキモい」という理由ででいじめられていた。


 家に帰れば安心…というわけでもない。家には母親と父親、姉がいる。この姉がすごいやつで中学生の時はテストは全て98点以上、スポーツもできて当たり前、おまけに生徒会長を務めると言うすごい才能に恵まれたやつだった。そのおかげで俺も期待されてテストが悪かったら殴られるわ、嫌味を言われるわで生きた心地がしなかった。


 そんな俺の気持ちを理解してくれるのは母親の兄にあたる叔父さんだった。叔父さんは俺の状況を知るとすぐに行動を移し、俺と養子縁組をして俺の家族から俺を引き離した。俺はそのことでおじさんに頭が上がらない。ここでやっと自分の安心できる場所を手に入れることができたのだから。

 

 また、叔父さんの勧めで高校は県外の高校に進学することにした。県外なら俺のことを知っているやつはいないし、俺がいじめられることもないだろうということだった。


 そして俺はやっと充実した日々を送れるようになった。


 はずだった…


「おい、田鹿!学食行って俺の飯買ってこい!3分以内だ!わかってんな!」


 俺をパシリに使ってるのは西部 健二郎にしべ けんじろう

 最初は気さくに話しかけてきたからいいやつなのかと思っていたが、てんで違った。こいつはこっちが気を許した途端に少ない金額で俺をパシリとして使っていき、それを拒否したら殴る、蹴るは当たり前、あらぬ噂を取り巻き連中と全校に流すなど

今までに俺が経験したことのない酷さで俺をいじめてきやがった。


 俺はノロノロと立ち上がり、学食へと向かっていく。

どうせ間に合っても殴られるんだ。それならゆっくりいった方がいい。

俺は学食でパンを買い、西部のところへ帰っていく。


 「おい、田鹿?3分以内って言ったよな?聞こえてたよな?」

「…」

「…」

「聞いてんのかって言ってんだ!」


ドカァッ!


 俺は西部に思いっきり殴られ、背中を壁に打ち付ける。


 「フン!少し顔が良くて勉強も運動もできるからって偉そーにすんじゃねぇ!」


そう言って西部たちは帰っていった。


 「俺が…いつ…偉そうに…したっていうんだ…」


 俺はいつも謙虚に生きてきた。誰かに対して傲慢な態度をとったことは一度もない。なのにっ!


「もう…人間なんて…大嫌いだ…」


 どれだけ俺が逃げてももいじめは無くならない。俺が頑張っても頑張った分だけいじめられるだけだ…こんなことなら…いっそ…


「ただいま…」


俺は玄関で1人呟く。叔父さんは世界で活躍するジャーナリストのため、今は外国に行っていていない。だけどそっちの方が好都合だ。


俺は今から自殺するんだから


俺は3階の自分の部屋のベランダに立つ。あとはそこの柵を乗り越えたらいいだけだ…だけど、足がすくんで動けない。なぜだ?やっと解放されるんだぞ?全てのことから。やっと楽になれるはずなのに…なんで動かないんだよ…なんで今更…


生きたいって願ってしまうんだよ…


何もかもが嫌なはずなのに、もう奇跡は起こらないってわかってるはずなのに、生きたいと願ってしまう自分がいた。


これで最後だ。この願いを聞き入れてくれなかったら俺は運命にも見放されているんだから大人しく死のう。

そう思いながら最後の願いを口にする。


神様…もう1度だけ、1度だけでいいので俺にチャンスをください。人生を楽しむチャンスを…!


そう願った瞬間、願いが通じたのかベランダに眩い光が迸った。眩しくて俺は目を逸らしてしまう。

光が収まったので目を恐る恐る開けると…


そこには1人の悪魔が倒れていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こんばんは。もしくは初めまして。木漏日レンです。

2作目の投稿を本日から開始します!

面白いと思った人は⭐️❤️、フォロー、コメントなどよろしくお願いします。

また、1作目をまだ読んでいない人はこちらもどうぞ。



助けたギャルは隣の席の清楚な生徒会長でした

https://kakuyomu.jp/works/16817330654528942937/episodes/16817330659012073340


目標は⭐️100個、ランキング100位以内です!

2話も早めに投稿できるよう頑張りますので応援よろしくお願いします!


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