読み手に世界を広げさせるパワーがある

和風ファンタジーというこちらの作品。
確かに和風なのですが、○○風、という括りなどどうでもよくなるくらい、強い世界観を持った作品だという印象を受けました。
「この物語の世界の空気はこんな匂いがして、本はこんな手触りで、食べ物の味はきっとこんな風」などと、読み始めると読み手の中でぐんぐん世界が広がって行きます。
私はそれほど小説を読んで来た方ではありませんが、五感を刺激する作品には多数出会っています。しかし、本作のように、読み手にお話しの世界を広げさせる作品とは初対面。
物凄いパワーだと思います。
作者様の独特なリズム感も相まって、読み手の心はがっちり掴まれることでしょう。

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