いいわけの件なのですが…

黒羽冥

第1話いいわけ聞いてもらえる?

「いや!だからさ!電車が本当に遅れたんだって!」

俺はまた『いいわけ』をしている。

そんな俺を見て、呆れ顔の彼女は深いため息をつく。

「はぁ…また?」

「またって言うなよ!」

「先週は何で遅れたか覚えてる?」

「先週?先週はバスが遅れた!」

「先々週は?」

「えっと……。」

すると彼女の身体はぷるぷると小刻みに震えているようだ…。

俺はただならぬ恐怖を感じすぐさま謝る!!

「本当に…すみませんでした!!」

もちろんこの時の俺は土下座…という古の謝罪方法を用いている。

すると…彼女は俺の顔の前に立つ。

仁王立ちというやつだ。

俺は徐々に彼女を見上げていくとそこに立っていたのは恐ろしい般若の面を被った…いや!もとい!

怒りの頂点に達した彼女の鬼の形相だったのだ!!

徐々に俺の身体もぷるぷると震え…悪寒が走る。

「ど…」

「ど?」

「どうして…」

「………!?」

「どうしてあんたは昔からそうなのよーーー!」

「ぐえええええぇぇぇぇっ!!!」

バキーーーッ!!

俺の頬は強烈な痛みを感じると熱くなる。

「幼なじみだからって何度も許すと思うな!」

「は…はい……。」

「ふんっ!」

そう言うと彼女は鬼の形相からいつもの素敵な愛らしい顔へと変わっている。

ただ…怒ってはいるようだ。

ズカズカとまさに鬼のような歩き方で俺を置いていってしまったのだ。

俺は頬の腫れを確認するかのように手で触れながら帰路につく。

「ふぅ……今日もやっちまったな。」

俺は思い返すが…実は本当に全ての俺の言い訳は本当に起こった事なのだ。

「でも…あいつ……こんな俺を信じてるのか分からないけど…何だかんだ信じてくれてるのかな……結局は許してくれてるもんな。」

俺は立ち止まるとそこは彼女の家の前だった。

「ふぅ…来週は寝ないで待ち合わせ場所に待機しとくか…。」

俺は色々あるけど…彼女の事が好きなんだ。

だから次からは言い訳はしない事にするぞ!

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いいわけの件なのですが… 黒羽冥 @kuroha-mei

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