第5話 昼食
教室に戻って数分もたたないうちに、斎藤先生が教科書などを配り、一日が終わった。
そして、俺が教室を出ようとした時、上野に肩を叩かれる。
「今から昼飯食べに行こうぜ。愛と木下さんも来るらしいしさ」
「......」
「今日も無理か? 出来たら来てほしいんだよね」
「いや、行くよ。だけど一人誘いたい人がいるんだけどいいか?」
俺がそういうと、上野は首をかしげていた。
「いいけど、誰よ?」
そう言った瞬間、石川さんと木下さんが教室に入ってきた。それと同時に美優と視線が合ったため、俺は歩き出そうとする。
「え、もしかして秋山か!?」
上野は驚いた表情をしていた。
「あぁ」
俺は美優の目の前にたどり着いて、昼食を誘う。
「美優、今から上野たちとご飯を食べるんだけど、どう?」
「......。いいよ」
「じゃー一緒に行こう」
俺と美優が上野たちのところにたどり着くと、石川さんたちは驚いた表情をして美優のことを見ていた。
「え!? 秋山さんが来るの!!」
「ダメかな?」
石川さんは首を横に振った。
「むしろ一緒に話してみたかったからうれしい!!」
「そう。じゃあ今日はよろしくね」
すると、上野が俺の肩を叩いてきた。
「秋山さんからokをもらうってどういうことだよ!?」
「いや......」
(理由なんて考えていなかった)
俺が口ごもっていると、美優が助けてくれる。
「二宮くんに私が相談したんだ」
「え?」
「同じ中学の上野くんや石川さんと仲がよさそうだったから一緒に混ぜてもらえないか話したの」
その言葉を聞いた上野と石川さんは信じられないという表情をしていた。
(え? もしかして、美優ってそんなに中学では一人であったの??)
俺がそう思っていると、美優が木下さんの方を向く。
「秋山美優です。よろしくね」
「はい!! 木下鈴です。よろしくお願いします」
二人が挨拶をした後、異様な空気間になったため、上野に話しかける。
「それで、お昼は何を食べるの?」
「そりゃあジャンクフードよ!! MAG」
「本当に蒼くんはMAGが好きだよね」
「おうよ。それでみんなはどう?」
俺と美優、木下さんは頷いて了承をする。そして、全員でMAGへと向かっていった。
店内に入り、メニューを見ていると、ほかのみんなは続々と注文に入っていった。
(みんな選ぶのが早いなぁ)
俺がそう思っていると、肩を叩かれたため、横を向くと、そこには木下さんがいた。
「決まった?」
「ぜんせんだよ。木下さんは?」
「私も。いろいろあって困っちゃうよね」
「そうだね」
その後、二人でメニュー表を見ていると、トレイが床に落ちた音がした。
俺はすぐさま音のした方を向くと、美優が淀んだ目をしながらこちらを見てきていた。
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