第4話 私の気持ち


 二宮優輝。私にとって大切な人。

 この人さえいれば、ほかはどうでもいいと思っている。


 私は、二宮優輝のことを愛している。それは揺るがない気持ちである。

 だけど、ゆうくんは私のことを最優先にしてくれない。


 だけど、それはしょうがないことなのかもしれない。

 私とゆうくんは、いわゆる幼馴染である。幼稚園の頃から一緒にいて、結婚の約束までした。


 その関係がなくなってしまったのは、中学校入学前。それは突然訪れた。


 ゆうくんが事故に合い、意識不明の重体に陥ってしまっていた。それを見た私は、絶望に満ちた。なんせ、ゆうくんの親御さんから言われた言葉。それは、記憶をなくしてしまったと告げられたのだから。

 それに加えて、負荷をかけないためにゆうくんとは合わないでほしいといわれた。


 私は受け入れることが難しかったけど、ゆうくんのお母さんが一つの約束をしてくれる。


 それは、高校入学と同時にゆうくんを一人暮らしさせる予定だから、家政婦として 向かい入れるとの内容であった。


 そのため、私は中学時代の三年間は自身の磨きをかける時期にした。そのおかげもあり、学校の男子からは告白されるし、街中ではモデルにスカウトされることも起きた。


 それでも、私にとって一番の目的であるゆうくんにかわいいと言ってもらっていないため、自身の磨きを怠りはしなかった。


 それに加えて、男子とは極力話さないようにした。その方が、ゆうくんと会った時も安心してくれる。


 そして、等々高校入学を果たした。


 運よくゆうくんと同じクラスになることができたため、いち早くクラスに入り、ゆうくんを待っていると教室に入ってきた。


 最初は目を合わせることができなかったため、俯いていた。だけど勇気を振り絞ってゆうくんの方を向くと、目が合った。


(かっこいい)


 三年ぶりに合ったけど、かっこよくなりすぎて目が離せなかった。


(なんであんなにかっこいいんだろう? もしかして合わなかった三年間で好きな人でもできたの? 恋人でもできたの? 私がいるのに? 私は三年間待っていたのに? なんでなんで?)


 一呼吸おいて、理性を戻した。

 

(ゆうくんがかっこいいのは当たり前。私がいるんだから彼女なんているわけがない。いるわけがない。いないよね?)


 そう考えていると、ホームルームが始まり、あっという間にゆうくんの家の目の雨にたどり着いた。お互いが目を合わせたとき、ゆうくんは驚いていた。


(あ~かっこいい。やっと一緒に入れる。これからはずっと......)


 だけど、私は目を疑った。

 棚の上にはかわいい女の子のフィギュアがおいてあり、私なんて要らないといわれているのだと思ってしまった。


 これは間違いなく浮気だと思う。なんせ、私はこれだけゆうくんの愛しているのに、ゆうくんはほかに目を奪われているのだもの。


 だから、捨てることにしたが、ゆうくんがやめてくれと言ってきた。


(私よりフィギュアが大切ってこと? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?)


 だけど、そうではなかった。私のために捨てないように言ってくれていた。


(あ~好き)


 もっと一緒にいたい。においを嗅ぎたい。もっと触れていたい。私だけを見ていてほしい。


(どうすれば、私だけを見てくれるかな?)


 私はいろいろと案を考え始めた。



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