第六章 マナーとモラルとシュレディンガー

おほっ、鳩の群れじゃな…

これまた美味しそ…いやいや、これもまた

人間の世界の縮図が見れるシュレディンガーなのですよ。


シュレディンガーは人間の理論だけではなく

鳩の世界、猿の世界、私達猫の世界も

社会性がある限り

発見しうる理論だということを

思考していただきたい。


私が思考するシュレディンガーは

まだ見ぬ可能性の発見にあり

それを楽しむことにあるんです。


さあ、この鳩の群れをご覧なされ達也どの…


小さな鳩の餌を啄む中、大きな鳩がその小さな鳩を追いかけ回し邪魔をしてその場所を勝ち取ったとしても、また別の場所に行き同じように追っかけ回してる


その隣ではのんびりと日向ぼっこして体を休めていたり


せっせとエサを啄む姿もありますな


人間の世界も

弱い奴をどこまでも追っかけ回して

嫌がらせをする者がいたり


理不尽な理由で群れから追放される者もいる


なぜ全ての生きとし生けるものは

集団という構成を作り、知能が高まるがごとに勝手かつ理不尽な理論により


変なルールを作りあげ集団的に同調圧力を

以て、新たな発見も視野も狭くしていくのだろうと常々考えていましてね…


マナーとモラル…

それは一つ言いたい事でありましてね

日本はモラルとマナーのレベルが高いと言われています。しかしながらそのモラルとマナーによって日本人自身が苦しんでいる現実もあるんです。


それには原因がありましてな

そのモラルとマナーを利用して人を傷つける

存在がいる。またはそのモラルやマナーの価値観がそれぞれ異なっていると言うのが考えられるんです。


それによって、一人の声の大きい人が持ち上げる理論によってそれに人々は同調していくのです、それだけならばここまで悩むことはそうそうないでしょうが

そのトップの声を引用したものも現れ

そこでヒエラルキーを発生させ

その最下層を蹂躙し私腹を肥やす輩が

いらっしゃるのです。


マナーやモラルも個々の価値観によって判断されますので同じ言葉でも相手の権力を阻害する攻撃にもなるし、自分自身を守る盾となるのです。


いい例の言葉として

「正義」と言う言葉があります。


正義というのはなんでしょうな

普段私達が身近にある正義とはまさに同調圧力…即ち、人々の多数決に決められた判断なのです。


それが真実の正義なのでしょうか?

価値観が違うからこそ言い合いや喧嘩があり、はたまた国家間では戦争も起こる


戦闘、戦い…

正義にはそれは必要項目なのでしょうか?


必ず相手を傷つけダメージを与えるのは

当たり前に必要なのでしょうか?


力無き正義は正義ではないという言葉もあります…


自分を守る力という言葉ならば少しはわかる気もします。


しかし、肝心なのは

相手が悪だから自分が裁くとき

つまりその最後の瞬間なのです。


私達生きとし生けるもの全てはそこは許されるのでしょうか?


私は聞きたい、正義とは何か

悪を屠るのが正義なのか…


その悪ってなんなのか…

その基準はなんなのか…


それを考えて判断する事

命を断つ必要はあるのでしょうか?


マナーとモラルは確かに必要です。

秩序はないといけないのでしょう

それで逆に縛ってもいけないはずです。


科学や発明や芸術の世界も同じです。

とある人が新たな論理を立ち上げ、作り上げましたにも関わらずにその多数決の価値観によって、その書物を異端と焼き捨てられ、しかもその身は焼かれたという言葉も聞きます。


或いはバカにされ狂人扱いされた事でしょう…それは全て「普通」というキーワードの同調圧力が支配されてる歴史ですな。


普通…

なんなんでしょうなあ…

常識…

何がなんでしょうな…


達也どの…

貴方にはその定義を説明できますかな…


誰かそれを説明できる賢者と言う

存在はいるのでしょうか?


どうなんでしょうな?

今まで博士と呼ばれる者はそこまで説くものは見たことはなかった。


時が経てば私の憂鬱なこの疑問を説く者に現れるか、私が理解するのか…


どちらになるのでしょうな…

その時に達也どのはこの箱をいつまで訪れてくれるのだろうか…



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