わたしの妹と従姉ぷらすあるふぁ第六話『アンラッキー7』捉え方なんだよ。

神無月ナナメ@カクヨム住人(非公式)

アンラッキーじゃないとあの日の私に伝えたい。

「優しくてキレイな看護師さん。家族にも寄り添える看護師さんになるんだ」

 噛みしめるように悲痛な表情。決意する声を在りし日の葬儀会場で聴いた。



 いきなりの交通事故だ。てんてこ舞いの状況でわたしとエリは子ども扱い。

仕方ないかもしれない。支援学校通いのエリ。バースデイで中学生なわたし。


 当時の従姉は進路に悩む受験生。いきなり将来の目標まで急変したらしい。

得意先回りに軽トラを運転中の母。対面の事故に巻きこまれた追突死だった。


 子どもたちには刺激が強すぎる。事故の詳細は何一つ伝えられなかったよ。

現実感なんて生まれるはずもない。再開した日常も問題が尽きず呆然とした。



 旋盤の金型加工業。先がない小さな町工場を経営する父は一気に老衰した。


 別に否定じゃない。公共放送朝ドラマ。連続テレビ小説はフィクションだ。

関東で制作された沖縄が舞台の非現実感。嘘くさい前作を考えれば真っ当だ。


 そもそもリアルと創作物は乖離する。ゼロとイチで構成するのがデジタル。

曖昧な境界が救いのアナログ人間関係。現実は真実と事実の狭間で生まれる。



『たった一つの真実を見抜く。見た目子どもで中身は大人』で始まるアニメ。

 見た目なら小学生。少年探偵の決め台詞「真実はいつも一つ」なんだよね。



 生まれ落ちた国。肌の色と環境が違う。それだけで選択肢のない人もいる。

正しさと間違いは問題じゃない結果論だ。選択肢があるだけで幸せなんだよ。


 子供時代がいきなり終わる環境だった。ある意味で不幸なのかもしんない。

授けられた環境を恨んでもしょうがない。見えない誰かと比べる必要はない。



 従姉を補佐してエリの未来に干渉する。そのために最善を尽くす環境創り。

高卒の介護福祉士からケアマネージャー。経験値と実績では業界内最強資格。


 ここから先は選択肢が無限にひろがる。間もなく25歳の人生はまだ長い。

ちょうど10年前の当日はアンラッキー。人生初のラッキー7な誕生日だよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしの妹と従姉ぷらすあるふぁ第六話『アンラッキー7』捉え方なんだよ。 神無月ナナメ@カクヨム住人(非公式) @ucchii107

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ