この感情は

takeyagu矢口竹一(やぐちたけかず

クラスメイトとしての、彼女

 彼女とは、同級生の間柄である。

 彼女と、同じ委員会に所属している。

 

 他に接点はない。


 どこに住んでいるのか知らない。ただ、電車を使っている。


 クールで、かしましく喋る事はないが、休み時間はクラスの女子と話している。男子とは必要最低限だ。

 午後は、一人で机に伏せて寝ていることもある。


 一人で歩いているときは顔を緩めないが、女子と話すときは笑っている。


 女子バレーボール部に所属している。


 理系で、特に数学が得意。英語も、デキる。

 運動も、デキる。マラソン大会で一年の中で3位ぐらいだったし、駅伝大会では、他より少し長くなる1区を走った。


 他のクラスでも、美人だと有名だ。


 ぼくは、事務的な、そう、

「(名字)君、ちょっとどいてもらえる?」

 と言われただけでうれしい。


 隣の席に座るひとが、授業における会話、相談だとしても彼女と話していて羨ましい。僕がその席に座りたい。


 彼女が、普段掛けない、ちょっと似合っていない様な、眼鏡を掛けているかんばせを、近くで見たい。


 彼女が、僕が苦手とする奴の名前を呼び、仲睦なかむつまじくするのを考えてみる。…少し、嫌悪感を感じる。


 彼女が、僕と親しい人と、恋人のように振る舞う様を、想像してみる。・・・嫌だ。受け入れられない。


 彼女と少しでも近づける様に、努力しようとは、、、、思わない。


 彼女の字も好きで、ロイロノート(クラウド型授業支援アプリ)で共有された提出物を、画像データとして保存し、メモアプリに追加する。

 キーボード入力されたフォントでも、彼女の提出物作品であっても、無機質な、手書き文字でなくとも、録っておきたいのだ。


 授業の準備などの用が済むと、目で追っている。




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