第三話

私視点続き


 次の日の朝、昨日の出来事の干渉に浸りながら家を出て学校を目指した。こんな地味な私なのだからもちろん一人だ。別に寂しくはない。


 昨日のことを思い出しては考えられずにはいられなかった。気になることもある。彼はどんな名前でどのような性格をしているのだろうか。優しい人かなぁ~、、どこのクラスにいるのかなぁ~、、入試上位の人しか入れないAクラスだったりして、、


 こんなことを思っているとすぐに学校に着いた。教室に入ると私の他に2人ぐらいしかいない。いつも5分前になってようやっと40人揃う。


 脳内で興奮しながらも荷物を置き黙って席に座る。今日はいつも以上に幸せな気分だ。


 やがて教室内が騒がしくなってきたころに行動を開始した。今の時間帯なら大体の人は学校にいるはず。林のごとく静かに教室を出て1クラスずつ探す。探すとは言っても教室に入って聞いたりするのではなく、廊下の窓からチラッと見るだけだ。教室に入って聞くなど私にそんな勇気はない。


「ああ~早く顔みたいなぁ~」


また、心の声が漏れてしまった。これでも必死に抑えてるつもりなんだけどなぁ~


私は4クラスあるうちのBクラスに所属していて、まず初めにAクラスから回ってみることにした。時々ある周りの視線を気にしながらおどおどした足取りで廊下を歩いた。


「いるかなぁ~、いないかなぁ~」


不安とドキドキが止まらなかった。そしてAクラスをチラ見すると奥の方に彼らしき顔が見えた。いや、まさしく彼だ。昨日の今日ではあるがあれからずぅっ~と彼のことを思ってきた私が見間違えるわけがない。謎の自信がある。


彼を見つけたことに喜ばずにはいられなかったが、必死に必死にこの胸の高鳴りを抑えた。ひとまず教室に戻ろう。戻ってすぐにホームルームが始まった。先生が何かを話しているが私の心はそれどころではなかった。


「やったぁー!顔みれたぁー!」


彼は気づいてくれたかなぁ~♡









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