闇がとても似合う黒い薔薇

読後感という言葉を知らない人はいないと思います。

この作品を僕が読んだ時に、その読後感がとても優れて感じられました。

小説は多くの言葉を費やし書かれるモノです。何万もの文字が並び、何万もの言葉が並び、何万もの文章が生まれる。そうして素晴らしい一つの物語が語られます。

様々な登場人物、様々な会話、様々な構成、それらが丁寧に積み重ねられ、書き手は、時に楽しく、時に苦しく、時に嫌悪すら抱きながら、そうして物語は丹念に創作されます。

でも、最後はほんの一文だけ。

どれだけの努力を重ねようが、どれだけの深い想いを捧げようが、小説は最後のたった一文の文章の出来不出来で、傑作か秀作かが分かれる事すらあります。

それ程、最後の言葉は重く、読者様に如何な読後感を残すのか、とても大切なものなのです。

作者様の他の作品とこの作品は少々趣が異なります。でもそれは世界が違うだけで根幹は同じ。何故なら、この物語の読後感はこの作者様ならではのモノだからです。

抱きしめられるようなエンディングは、きっとあなたの心に残ります。

お薦め致します。是非、この抱きしめられるようなエンディングを皆様も味わって下さい。

宜しくお願い致します。



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