第8話 姫プレイ

 ニュースを見ていると、聖女がダンジョンへ挑戦という報道が流れていた。何をそんな大袈裟にするのかと思うけど。

 有名な人が危険なことをすると話題を呼ぶのは世の常。私自身が大袈裟だと思うのは、有名人ではないから経験したことがない。


「美味し」


 朝はいつもご飯を食べない代わりに蜂蜜生姜ティーを飲んで体を温める。

 牛乳が体に良くないって聞いたので、最近は豆乳を入れて飲んでいる。

 結構美味しい。


「最近、投稿が増えるばかりでちょっと面倒なんだよね。ちょっと変わったことがしたいなぁ〜休憩して旅行でも行こうかな?」


 投稿されてきたコメントを読んではコメントすか精査する。

 最近の話題についてが多くてWBCネタも多い。

 興味は無いけど優勝したのは知って程度では語って良い話じゃない。


「ユメは大学が忙しそうだし。メガネ君にはヒールと水魔法を覚えてもらうように指示を出しているから、今ってやることないんだよね。私って行動範囲狭いからなぁ〜」


 ニュースを見ていると、聖女様の初ダンジョンの挑戦と言う見出しの後に、ライブ配信を行うと表示されている。


「ふ〜ん、有名人のライブ配信ねぇ〜。暇だし参考も兼ねて見てみようかな」


 大々的に冒険者ギルドの優秀な冒険者が護衛について、カメラマンも冒険者で配信をしている人が手伝いをしている。

 万全の体制で行われたダンジョン攻略は俗にいうお姫様プレイだ。


 何人も聖女を守るために冒険者を雇って、大規模攻略をする映像は、聖女関係なくいろ思えてしまう。見ていて面白いけど。スゲー無意味。

 私だって、投稿者の質問されそうなことはリサーチをする。

 そのために話題のテレビニュースとか、ネットニュースを見るようにしている。       

        

「あれだね。これは話題になるんだろうけど。どんな風に質問されるんだろう?」 


 私はライブをメインにしているから動画編集をすることはほとんどない。動画投稿する人たちは、加工や動画編集があるから大変そう。

 そう想いながらライブを行う準備をして、アクゼスタイルでライブを開始する。


「今日は聖女様がニュースになってたね。まぁここでは私が神だけど。今日もやっていきますか。いつもながら好き勝手いうけど。嫌ならどっか行けば? それじゃ始めていくよ」


 私は投稿者から送られてくるDMを開いて、適当にお題を探す。 


「あ~、やっぱり聖女関連が多いね。う~ん。この間も話したばっかだけど。まぁいいか。どれどれ。聖女様がお姫様プレイしていたけど。どう思われますか? まぁ、聖女って行っても所詮は初心者だからね。レベル上がるまでは仕方ないんじゃない? だって聖女ってヒーラーでしょ? もしくは聖なる魔法が使えるから、ホーりーマジシャン? 戦闘向きじゃないからね」


 コメント欄には私が珍しく擁護していると、驚くアクゼ信者共。まぁ待てよ。ここからここから。


「だいたいさ。イケメンの冒険者に囲まれて聖女様って言われている姿に。むしろ面白いって思ったのは私だけかな?」


 私の言葉にコメント欄に草が溢れる。まぁみんな思うよね。確かに聖女様になった女の子は可愛い。女優さんとか言われてもいいぐらいには可愛い。

 だけど、リアルで聖女様って言われて男共から崇められて、正直ドン引きだった。


「みんな思ってんじゃん。あれはさ、エンターテインメントなんだよ。人を面白おかしく楽しませるためのパフォーマンス。そういうのにいちいち何か物申すって、こっちが恥ずかしくなるレベルじゃない? だから、生暖かい目で聖女様を見守ってあげればいいと思うよ。はい、次ぎ」


 コメント欄を除いていると、聖女のニュースが流れたようで慌てる信者共。

 その一つに真面な詳細が書かれた一文を見つける。


「聖女様の部隊が、ダンジョンパニックに遭遇。救援を求む? ちょっと調べてみんね」


 私が調べると、初心者である聖女のレベルを速く上げるためにダンジョンの奥地に入っていった聖女部隊。

 ダンジョンパニックと言われるモンスターの大量発生が起きて、聖女及び冒険者数名が行方不明と記されていた。


「へぇー高ランク冒険者がついているのに、不思議だね。無事ならいいけど」


 聖女が行方不明と言う言葉にコメント欄に心配の声が上がっていく。


「う~ん。緊急クエスト出るかもね。まっ私には関係ないでしょ。あれだけの冒険者様がいればなんとなるでしょ」


 大人たちの思惑で祭り上げられて大変だけど、撮影中の様子は楽しそうで少し偉そうにも見えたので私には関係ない。


 配信を終えた後にスマホを見れば高ランク冒険者宛に冒険者ギルドから緊急クエストが発令されていた。

 偉い人がバックについてると有名人は救援依頼も早いね。


「しゃーない。暇だし行きますか。大丈夫だと思うけどね。あれも演出のうちに思えるもん」


 私は装備を整えて家を出た。



 

 

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